民主、中道派が巻き返し 米大統領選候補討論会
経済で現実路線、ブティジェッジ氏急伸

米大統領選
北米
2019/11/21 19:30
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米大統領選の民主党討論会に参加したブティジェッジ氏(左)ら(20日、ジョージア州アトランタ)=ロイター

米大統領選の民主党討論会に参加したブティジェッジ氏(左)ら(20日、ジョージア州アトランタ)=ロイター

【アトランタ=鳳山太成】2020年11月の米大統領選に向けて野党・民主党は20日、指名を争う候補者による5回目のテレビ討論会を南部ジョージア州アトランタで開いた。20年2月の予備選スタートを控え、本命と目されたバイデン前副大統領は今回も決め手を欠いた。巨額の財源を要する国民皆保険などを訴える急進左派候補が存在感を示すなか、中道派は現実的な経済政策を訴えて巻き返しを図った。

「私にはトランプ大統領に挑戦するのに値する経験がある」。全米の世論調査で支持率4位の中西部インディアナ州サウスベンド市長、ブティジェッジ氏は討論会で訴えた。人口約10万人の小都市の首長が国政で戦えるのか疑問視する声に「いまは首都ワシントンと異なる経験が必要だ」と反論した。

10人が参加した20日の討論会。焦点は中道派の追い上げだった。70歳代の候補者が目立つなか、37歳の若さが武器のブティジェッジ氏は、今月の中西部アイオワ州での世論調査で25%と9月に比べ16ポイントも伸ばし、急進左派の有力候補ウォーレン上院議員(16%)を抜いて首位に立った。アイオワ州は候補選びの初戦となる党員集会が開かれる重要州だ。

ブティジェッジ氏は同性愛者を公言し、ハーバード大卒の退役軍人という異色の経歴だが、既存政治家にない新鮮さや論理的な語り口への評価は高い。米メディアによると、同氏が9月末までに集めた選挙資金は5150万ドル(約56億円)と、左派候補サンダース氏(6150万ドル)に次いで2位だった。

討論会でブティジェッジ氏はアイオワ州の農家が輸出減に苦しんでいると指摘し「貿易戦争を正す」とトランプ大統領の対中制裁関税を厳しく批判した。巨額の財源が必要な国民皆保険制度を唱えるウォーレン氏ら左派に対し、現行の民間保険会社も併存させて歳出増を小幅にとどめる独自策を訴えた。

複数の米メディアは20日、ブティジェッジ氏を討論会の「勝者」と評した。同氏と並んで評価が高かったのが、同じく中道派で中西部ミネソタ州選出の女性上院議員クロブシャー氏だ。「財政に責任を持たなければいけない」と語り、大幅な歳出増を伴う左派の経済政策とは一線を画した。

元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏やヒラリー・クリントン元米国務長官の出馬が取り沙汰されるなど、民主では中道候補を模索する動きが続く。中道の本命だったバイデン氏に陰りがみられるからだ。バイデン氏は10月、ウォーレン氏に支持率首位の座を一時奪われた。

20日はトランプ氏の弾劾調査に関する議会公聴会も開かれ、トランプ氏がバイデン氏の息子ハンター氏の疑惑調査をウクライナに求めた話題が蒸し返された。討論会でバイデン氏は「トランプ氏は(私が)民主候補になってほしくないのだ」と抗弁したが、口ごもる場面も多く精彩を欠いたとの評価が大勢を占めた。

民主党の一部支持者には左派候補では本選で苦戦するとの危機感が根強い。CBSが11月上旬に実施した世論調査ではウォーレン氏が民主候補になった場合「リベラルすぎてトランプ大統領に勝てない」との回答が36%に上った。左派候補の代表格であるサンダース上院議員も同様の回答が44%を占める。

5千万ドル以上の資産を持つ超富裕層への増税を掲げるウォーレン氏は、討論会で「富裕層税は誰かを罰するものではない」と釈明した。ただ11月に入って大富豪を標的とした広告を放映し、資産家から反感を買った。

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