「見返り要求、トランプ氏の意向」ウクライナ巡り駐EU大使

トランプ政権
北米
2019/11/21 2:32 (2019/11/21 4:37更新)
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【ワシントン=永沢毅】米議会下院の情報特別委員会は20日、トランプ大統領の「ウクライナ疑惑」について4日目の公聴会を開いた。ソンドランド駐欧州連合(EU)大使が証言に立ち、トランプ政権がホワイトハウスでの米ウクライナ首脳会談開催などの見返りとして、野党・民主党のバイデン前副大統領の不正調査を同国に求めたと発言。これらは「トランプ氏の要求を反映したものだ」と語った。

民主はトランプ氏の不正への関与を示す重要な発言として追及を強める構えだ。ただ、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「ソンドランド氏には『私は見返りは求めていない』と伝えた」と説明し、自身の関与を否定した。

ソンドランド氏は公聴会で「見返りがあったかどうかと問われれば、答えはイエスだ」と証言。具体的には「トランプ氏の明確な指示に従って」、同氏の顧問弁護士であるジュリアーニ氏とウクライナ政策の調整を進めたと説明した。ジュリアーニ氏はウクライナに対し、ホワイトハウスでの米ウクライナ首脳会談や電話協議を実現するには、2020年大統領選でトランプ氏と対決する可能性のあるバイデン氏の不正調査に取り組むとウクライナが公表するのが交換条件となると伝えていた。

ソンドランド氏は「これらの条件は、トランプ大統領の望みや要求を反映していると私たちはみな理解していた」と証言した。もっとも、9月9日の電話で「大統領は何を求めているのか」とトランプ氏に直接尋ねると「何もない。見返りも望んでいない。ウクライナに正しいことをして欲しいだけだ」と言われたとも説明。「見返り」の要求がトランプ氏からの直接の指示に基づくものだったという明確な証拠が明らかになったわけではない。

一方、ソンドランド氏は7月19日に送った政権幹部へのメールで、ウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ氏と予定する電話協議で「透明性を確保した調査に取り組む意向を伝えるだろう」と説明していたと明かした。送信先にはポンペオ国務長官やマルバニー大統領首席補佐官代行らが含まれ、主要なトランプ政権幹部がバイデン氏調査について把握していたと主張した。

ソンドランド氏は9月1日にポーランドを訪れたペンス副大統領とも直接話し、バイデン氏の調査と対ウクライナ軍事支援の保留が結びついている状況に懸念を伝えた。ペンス氏はこの直後、ゼレンスキー氏と会談している。ジュリアーニ氏らを通じたウクライナ政府への働きかけを、ペンス氏やポンペオ氏らが事実上黙認していた様子をうかがわせる。

ソンドランド氏はトランプ氏への献金者の1人で、その功績もあってEU大使に任命された。これまで公聴会に出席してきた国務省高官らと異なり同氏と直接の会話もできる立場にあり、疑惑解明のキーマンと目されている。

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