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農水省、コメ供給抑制姿勢 20年産も 減反廃止3年目
米価高維持に疑問の声

経済
2019/11/20 18:50
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豊作見込みだった19年産米の需給は作柄不良で均衡になった(新潟市)

豊作見込みだった19年産米の需給は作柄不良で均衡になった(新潟市)

農林水産省は20日に開いた食料・農業・農村政策審議会の食糧部会で、2020年産米の主食用米の需給見通しを公表した。高齢化やコメ離れを背景に需要は10万トン減るとして、生産量をさらに減らす必要があるとの見方を示した。足元で米価は高止まりが続くが、外食産業などで使う手ごろな価格の業務用米は品薄感が強い。会合では供給抑制に疑問の声も相次いだ。

農水省は19年に727万トンだった需要量が20年は717万トンに減ると推計した。その上で需要に見合った生産量は708万~717万トンになると見積もった。19年の生産量(727万トン)に比べ10万~19万トン少ない。

農水省は18年産米から「減反」廃止として、都道府県への生産数量目標の配分をやめ、農家の判断による生産に切り替えた。ただ、農水省は生産量の抑制が必要との見方を変えておらず、飼料用米など他の作物を作った時のために手厚い助成金を用意する。

これを映しコメの価格は19年産まで5年連続で上昇した。農水省によると、出回り当初からの19年産米の卸値(相対取引価格)は1俵(60キログラム)1万5727円と、18年産からわずかながら上昇した。19年産米の需給は均衡しており、米価は高止まりしている。

同日の会合では「いまの価格は適正なのか」など、供給を絞って価格を維持する政策への疑問の声が上がった。米穀卸の委員は「値段が高くなったことによる消費減も大きいのではないか」と指摘した。農家の委員も「値段が上昇して消費が減るのを目の当たりにすると、目の前の利益のためにお客さんが逃げていると不安を感じる」といった心境を吐露した。

ただ、コメ農家を束ねる全国農業協同組合中央会(JA全中)や自民党の農林関係議員は、供給増による米価下落に強い警戒感を示す。JAグループの幹部は「(需要に対して)作付けが過剰な状態は続いている」と強調する。今年の主食用米の作付面積は0.5%減ったものの、それ以上にコメ需要は1.1%減っているからだ。

19年産は当初、10万トンを超える供給過剰となり価格が下がるとの見方があった。だが、夏場の猛暑や秋の台風の影響で作柄は悪化し、需給は均衡した。

仮に作柄が平年以上だった場合、コメ余りで米価が値下がりした可能性もある。実際、19年は新潟県などブランド力の強い一部の地域でコメの作付けを増やす動きが出ていた。

農水省がコメからの転作で重要な作物と位置付ける飼料用米の作付面積は2年連続で減るなど、国が思い描く通りの供給抑制は進んでいない。米価高が主食用米の生産意欲を高め、飼料用米への転作を抑えている側面は否めない。

20年産米が豊作となれば米価がいよいよ下がる可能性が出てくる。政策当局や一部のコメ農家には頭の痛い問題になるが、コメを食べる消費者のほか、外食・中食産業や流通業者には朗報となる。(松尾洋平、高野馨太)

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