冷え込む日韓経済、10月輸出23%減 WTO協議は平行線

経済
朝鮮半島
2019/11/20 11:30
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日本と韓国の経済関係が冷え込んでいる。財務省が20日発表した10月の貿易統計(速報)によると、韓国向け輸出は前年同月比23.1%減となり、12カ月連続でマイナスとなった。日本の輸出管理の厳格化を巡り、19日にスイス・ジュネーブで開かれた世界貿易機関(WTO)での協議も平行線に終わった。日韓対立はモノやヒトの交流に影を落としている。

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10月の韓国向け輸出は、化学製品や一般機械など幅広い分野で2ケタのマイナスとなった。韓国内での日本製品の不買運動などが影響した可能性がある。韓国からの輸入は12%減り、10カ月連続でマイナスとなった。

日本政府は7月、半導体製造に用いるフッ化水素など3品目について、韓国に輸出する際の審査を厳しくした。日本政府は武器に転用できるこれらの品目を適切に管理するためだと主張しているが、韓国はこれに反発し、9月11日に日本をWTOに提訴した。

WTOの通商紛争解決の手続きでは、まずは2カ国間で解決法を探るルールとなっている。10月に実施した初回の協議で、日韓両国は2回目を開くことで合意していた。

19日に開かれた2回目の協議は、日本から経済産業省の黒田淳一郎・通商機構部長ら、韓国からは産業通商資源省の丁海官(チョン・ヘグァン)新通商秩序協力官らが出席。日韓ともに従来の主張を繰り返した。

日本は「軍事転用の可能性のある貨物や技術の貿易を適切に管理するためにとった措置」と述べ、WTO協定違反には全くあたらないと強調。韓国は「恣意的で差別的」として日本に措置の撤回を要求した。23日に期限が迫っている日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄に関する議論はなかった。

韓国は3回目の協議を日本に要請するか、第一審にあたる紛争処理小委員会(パネル)の設置をWTOに要求することができる。協議後に記者会見した丁氏はパネル設置要求について「選択肢の一つ」などと述べた。その上で、「解決できる可能性があるなら協議は続けるが、議論のための議論はしたくない」と話した。日韓の貿易を巡る対立は長期化しそうだ。

ヒトの交流にも影を落としている。日本政府観光局によると、9月の韓国からの訪日客数は前年同月比58.1%減の20万1200人だった。日本政府観光局は午後4時に10月の訪日客数を発表する。韓国人客の動向が注目点の一つだ。

(杉原淳一、ジュネーブ=細川倫太郎)

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