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「香港人権法案」米上院が可決 中国をけん制

【ワシントン=永沢毅】米議会上院は19日、香港での人権尊重や民主主義を支援する「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決した。香港に高度な自治を認める「一国二制度」が機能しているかどうか米政府に毎年の検証を義務付け、人権を侵した中国政府関係者らに制裁を科せるようにする内容。デモ隊への強硬姿勢を強める中国政府と香港政府をけん制する狙いがある。

成立には、10月に可決されていた下院での同様の法案と中身を調整したうえで、トランプ大統領の署名が必要になる。成立すれば中国政府が反発するのは確実だ。

トランプ氏は2020年大統領選に向けた成果として中国との貿易交渉で中国による農産品購入の拡大などを盛った「第1段階の合意」の早期決着をめざしている。法案に署名すれば、中国側が態度を硬化させて交渉が漂流するリスクもある。

次の焦点はトランプ氏の対応だ。ロイター通信がホワイトハウス高官の話として伝えたところによると、トランプ氏は法案に署名するか拒否権を行使するか、最終決定していないという。

中国外務省は20日、「中国への内政干渉で、強烈な非難と断固とした反対を表明する」との談話を出した。「米国が独断専行するなら有力な措置をとる」とも強調し、報復措置も辞さない構えをみせた。香港政府の報道官も20日、「外国の議会はいかなる形でも香港の内政に干渉すべきではない」とコメントした。

今回の法案を主導した対中強硬派のマルコ・ルビオ上院議員(共和党)は可決後に「私たちはあなたたち香港市民とともにある」とツイッターで表明。野党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務も声明で「習近平(シー・ジンピン)国家主席よ、自由への弾圧がいつも失敗するのは歴史が証明している」と強調した。上院本会議では、香港に催涙ガスやスタンガンなどの武器輸出を禁じる法案も可決した。

ペンス副大統領は19日の米メディアとのインタビューで「もし香港で暴力が用いられたり、問題が適切かつ人道的に対処されなかったりすれば中国との貿易合意はとても難しくなる。その点はトランプ大統領も明確にしている」と語り、中国側を強くけん制した。

トランプ氏は「(中国が)天安門(事件)のように武力を使えば、取引が困難になる」と述べたことがあり、中国政府が武力介入すれば米中貿易交渉の継続が難しくなるとの認識を示していた。

香港には、英国から中国へ返還された1997年以降も50年間は高度な自治が認められる「一国二制度」が適用されている。米国はこれを前提に関税やビザ発給で香港への優遇措置を講じてきた経緯がある。

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