石兼公博新国連大使が着任「緒方氏の考えは廃れない」安保理会合で
【ニューヨーク=大島有美子】日本の石兼公博新国連大使が19日、ニューヨークの国連本部でグテレス事務総長に信任状を提出し、正式に着任した。同日の安全保障理事会の会合で演説し、10月に死去した緒方貞子元国連難民高等弁務官について「(地域の)和解に向けた彼女の考えと行動が廃れることはない」と述べた。

石兼氏は、国際平和と安全の維持における和解の役割について議論する会合に出席した。和解に向けた過程では「現場の人々の声を聞き、我々の行動に反映させることが最も有効な手段の一つ」とし、日本としても和解実現に向け取り組んできたと強調した。
石兼氏は1981年に外務省に入省した。国際協力局長、総合外交政策局長などを歴任した。アジア大洋州局長も務めており、日本にとって国連外交で重要となる北朝鮮問題にも明るい。
さらに東南アジア諸国連合(ASEAN)代表部大使を務めるなど幅広い国々との外交経験を持つ。直近では2017年9月からカナダ大使を務めた。