アジア開銀、中国向け融資の金利引き上げ 2021年1月から

金融機関
2019/11/19 20:41
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【マニラ=遠藤淳】アジア開発銀行(ADB)は19日、中国などの中高所得国向けの貸出金利を引き上げると発表した。引き上げ幅は0.2~0.3%。中国が世界2位の経済大国に成長し、所得水準が向上したことを受け、相応の負担を求める。中国向け融資の金利は世界銀行がすでに引き上げることを決めており、ADBも見直す方針を明らかにしていた。

ADBは経済大国となった中国への貸出金利を引き上げる(9月、上海)=AP

新たな金利体系は21年1月から適用する。中国を含む「上位中所得国」向けの金利は、期間に応じて従来より0.2~0.3%上乗せする。中国と同じグループに入れられているのはほかにカザフスタンとマレーシアだけだが、マレーシアは現在借り入れがない。

ADBは支援する国・地域として、1人あたりの国民総所得が6975ドル(約76万円)以下であることを基準の1つとしている。中国の2018年の1人あたりの国民総所得は9千ドルを超えたが、ADBは特定の分野については支援が必要だとして、環境対策や高齢者医療向けに融資を続けている。

経済大国に成長した中国は、自ら主導する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」などを通じて新興国への融資を拡大している。中国が資金の供給元としてアジアやアフリカで存在感を高めるなか、ADBに加盟する先進国の間では中国に対する優遇を見直すべきだとの声が上がっていた。

5月にフィジーで開かれたADB総会では、麻生太郎財務相が中国を念頭に高所得国の「借り手」からの卒業を促した。中尾武彦総裁は金利の引き上げを検討していると明らかにしていた。

ADBは中国向けの金利を引き上げる一方、特定分野での中国への融資は継続する。ADB幹部は「融資はするが、相応の金利を負担し、財政面で貢献してもらう」と話す。世界銀行も18年に増資した際に中国など高所得国に対する金利の引き上げを決めている。

ADBが18年に中国と融資契約を結んだのは総額26億ドル。減少傾向にはあるが、依然全体の12%を占め、最大貸出先のインドに次ぐ。

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