計画は柏崎市独自、新潟県とは温度差

2019/11/19 19:48
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東京電力が柏崎市からの大きな宿題を2年越しでクリアしたことで、桜井雅浩市長は市の将来の方向性を示す区切りになったと位置付ける。しかし、廃炉計画の策定は柏崎市が独自に東電に求めたものにすぎず、一方の当事者である新潟県は静観の立場を貫いている。県と市の温度差はなお大きく、再稼働の見通しは依然として不透明だ。

石油産業で栄えてきた柏崎市は、50年前の原発誘致を機に原子力の町として発展した。しかし、2011年の原発停止以降「エネルギーの町として、今後どうなっていくのか見通せない状況が、市民のマインドを低下させている」(桜井市長)という危機感があった。

市が策定する「地域エネルギービジョン」は原子力に加え、再生可能エネルギーと廃炉産業の創出を目指している。東電の回答の中では、廃炉検討の方針や地域エネルギービジョンへの協力が明記された。桜井市長は「柏崎市を新たなエネルギーの町とするスタートにしたい」と期待する。

地元では東電から廃炉方針を初めて引き出したことを「市長の実績の一つ」(柏崎市の経済関係者)と評価する見方もある。「条件付き再稼働容認派」として16年に当選した桜井市長は、20年12月に任期満了を迎える。県の検証作業が終わらず、再稼働に向けた本格的な議論が進まない中、任期中の成果と位置付けたい思いもありそうだ。

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