新潟・柏崎市、東電に7項目要望 柏崎刈羽原発めぐり

2019/11/19 19:38
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東京電力ホールディングスが提出した柏崎刈羽原子力発電所の一部廃炉を検討するとした文書を、柏崎市の桜井雅浩市長が容認した。しかし地元では「廃炉の検討」にとどめる東電の姿勢を疑問視する声も多い。そこで桜井市長は、東電に地元との連携強化など新たに7項目の要望を示したうえで、再稼働の最終的な判断は県の検証作業が終わり7項目の進展を確認した段階とした。

東電の小早川智明社長(右)に廃炉方針に関する評価を記した紙を手渡す柏崎市の桜井雅浩市長(11月19日、柏崎市役所)

東電の小早川智明社長(右)に廃炉方針に関する評価を記した紙を手渡す柏崎市の桜井雅浩市長(11月19日、柏崎市役所)

「廃炉への考え方は、おおむね了とする」。桜井市長は19日、柏崎市役所を訪れた小早川智明社長に市としての評価を伝えた。「6、7号機の再稼働は基本的に価値あるもの」「私は条件付き再稼働容認派として3年前に当選した」など、再稼働に前向きな姿勢を強調した。

桜井市長は2017年6月に「6、7号機を再稼働する条件」として、1~5号機の廃炉計画の作成を東電に要請した。これを受けて東電は19年8月に「6、7号機が再稼働した後5年以内に、1~5号機のうち1基以上について、廃炉も想定したステップを踏む」との文書を提出した。市長は「市民や市議会の声も聞き評価を伝える」としていた。

市民や市議会からは廃炉への考え方に初めて言及したことを理解する見方もあったが、「廃炉計画とは呼べない」「もっと明確であるべきだ」との意見も相次いだ。

こうした声を踏まえ、桜井市長は19日、廃炉への考え方は容認したうえで、新たに7つの項目を東電側に要望した。1基以上のより明確な廃炉計画や、地元経済との連携強化、使用済み核燃料の保管量の低下などを盛り込んだ。

地元経済との連携では「柏崎刈羽原発では1000億円規模の仕事が発生しているが、このうち市内の企業への発注は100億円にとどまる」ことに関し「もう少し地元に経済効果があってしかるべきだ」と指摘した。

6、7号機の使用済み核燃料プールの保管量を、再稼働までに80%以下にすることも求めた。現在の貯蔵率は6号機が93%、7号機が97%。再稼働しても保管量に余裕はなく「青森県むつ市(の中間貯蔵施設)や、六ケ所村(の再処理工場)に搬出してほしい」と要望した。しかし、現時点で2カ所とも稼働時期は不透明で「1~5号機の空いている号機への移動も含め検討してほしい」とも要望した。

柏崎市としての最終的な再稼働の判断は、新潟県が進める原発の安全性など「3つの検証」が終わり、7項目の進展を確認した段階とした。しかし、検証作業の終了のめどは現時点もたっておらず、桜井市長は7項目をいつまでに達成してほしいかは明言を避けた。

東京電力の小早川社長は評価を受け「身の引き締まる思い」と語った。新たに要望された7項目は「会社に持ち帰り、反映できるかどうかも含め検討していく」とした。

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