世界貿易、5四半期連続で「縮小」 WTO調査

ヨーロッパ
2019/11/19 3:30
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【ジュネーブ=細川倫太郎】世界貿易機関(WTO)が18日発表した2019年10~12月期のモノの貿易指数は、貿易の拡大・縮小の判断の目安となる100を5四半期連続で下回った。7~9月期(95.7)から若干持ち直して96.6となったものの、米中貿易戦争などの影響で停滞が続く。特に電子部品や航空貨物が弱く、世界経済の減速でモノの動きは当面鈍くなるとみられる。

指数は輸出受注や自動車生産・販売などから算出する。100を上回ればモノの貿易が拡大、下回れば縮小傾向を示し、世界貿易の実態をいち早く把握できるとされる。WTOは「貿易の緊張の高まりによって、世界貿易のトレンドは弱いままだ」と警鐘を鳴らした。

6つの判断項目のうち、コンテナ貨物取扱量以外はすべて100を下回り、特に電子部品が88.2と最も低い。次世代通信規格「5G」のインフラ整備などの追い風はあるが、足元は米国の対中関税引き上げなどのマイナス影響を受けているとみられる。

航空貨物も93.0と厳しい。国際航空運送協会(IATA)によると、世界の航空貨物需要は9月まで11カ月連続マイナスで、前年割れが続く期間は08年の金融危機以降で最長となっている。

WTOは19年の世界のモノの貿易量の伸び率は前年比1.2%にとどまると予測する。リーマン・ショックの影響で減少した09年以来、10年ぶりの低い伸び率になる可能性がある。世界の実質成長率は2.3%で、国境をまたぐモノの貿易量の伸び率が経済成長率を下回る「スロートレード」に陥る公算が大きい。

米中貿易協議の進展に期待は高まっているが、予断は許さない。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感などから、欧州の景気減速も鮮明になっている。

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