イランの重水貯蔵量、核合意の上限超過 IAEA報告

2019/11/19 3:28
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【ジュネーブ=細川倫太郎】国際原子力機関(IAEA)は18日、イランの重水貯蔵量が核合意で定めた規定(130トン)を超えたことを明らかにした。同日、理事国に通知した。イランは米国の制裁への対抗措置として核合意からの逸脱を段階的に拡大しており、国際社会の懸念と不安が高まっている。

イラン西部アラクにある重水炉施設(2006年撮影)=AP

IAEAの報道官は日本経済新聞社の取材に対し、「イランから16日に通告を受け、フェルータ事務局長代行が18日に理事国に情報を提供した」と述べた。IAEAは17日にイランの重水貯蔵量が131.5トンになっていることを確認した。

重水は原子炉の稼働に必要だが、核合意でイランは必要以上に重水を貯蔵すべきではないとして上限を130トンに定めた。これまでもイランは上限を超えて貯蔵したことがあり、国外に搬送するなどして再び規定内に収めていた。ただ、今回はイランが強硬姿勢を見せており、重水の貯蔵量を元に戻すかは不透明だ。

IAEAはイランの核活動を監視し、検証している。11日にまとめた最新の報告書によると、3日時点の低濃縮ウランの貯蔵量は372.3キログラムと核合意で定められた上限(202.8キログラム)を8割超過していた。濃縮度も一部は上限の3.67%を上回って4.5%に達している。さらにIAEAはイランが山岳地帯の中部フォルドゥの施設でウランの濃縮活動を始めたことも確認した。

イランは米国による制裁で経済が打撃を受けており、核合意の維持へ欧州に経済支援を求めている。だが、欧州が提案している経済支援策はトランプ米政権の同意が得られず、有効な策を打てていないのが現状だ。何とか核合意の存続を模索していた当事国の英仏独も最近のイランの挑発行為に懸念を深めており、核合意は崩壊の危機に直面している。

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