英首相「法人税下げ延期」 選挙にらみ、医療政策に充当

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ヨーロッパ
2019/11/19 2:56
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【ロンドン=中島裕介】英国のジョンソン首相は18日、英産業連盟(CBI)の総会での演説で、12月12日投開票の総選挙で政権を維持した場合、2020年度に予定していた法人税率の引き下げを延期すると表明した。現行の19%の税率を17%に下げる予定だったがこれを先送りし、確保した財源を医療政策などに充てる。総選挙を控えて企業優遇策よりも、国民の関心が高い政策を優先する姿勢を明確にした。

ジョンソン英首相は選挙をにらみ企業優遇策よりも、国民受けする政策を優先した(18日、ロンドン)=AP

ジョンソン氏は演説で、法人税率下げの延期で60億ポンド(約8400億円)を捻出できると指摘。「財源を国民医療制度(NHS)など英国民に優先度の高い政策に投入する」と経済界の幹部らに理解を求めた。

英国の法人税率はもともと先進国の中で低い水準にある。保守党政権はキャメロン元首相時代の16年に成長戦略の一環として、20%だった税率を20年までに段階的に17%に下げると表明していた。CBIのキャロリン・フェアバーン事務局長は「減税のための財源を公共サービスに回すことは、国のために機能する可能性はある」と一定の理解を示した。

最大野党・労働党はこれまでの選挙戦で、保守党政権下よりもNHSへの投資を増やすとアピールし続けている。一方で財源の裏付けには不安も残している。ジョンソン氏は財政に配慮しながら労働党の強みを消すために、法人税下げの延期を決断したとみられる。

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