イスラエル検察、ネタニヤフ首相を起訴へ 汚職疑惑で

中東・アフリカ
2019/11/18 21:06
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【カイロ=飛田雅則】イスラエルの検察当局は汚職疑惑を抱えるネタニヤフ首相を起訴する方針を固めた。有力メディアが19日にも起訴すると伝えた。9月の総選挙後、第1党の中道野党連合「青と白」のガンツ元軍参謀総長は、ネタニヤフ氏の首相退陣を条件に、同氏が率いる第2党の右派与党リクードとの大連立による新政権の樹立を模索してきた。起訴で国民の批判が強まれば、ネタニヤフ氏を外した大連立の可能性が出てくる。

閣議に参加するイスラエルのネタニヤフ首相(17日)=ロイター

ネタニヤフ氏は疑惑を否定し、首相の辞任も拒んでいる。有力紙ハーレツは検察が19日にも起訴すると報じた。有力テレビ「チャンネル13」は14日時点で、10日以内に検察が起訴すると伝えた。

検察は収賄や背任などの罪で起訴する見通しだ。ネタニヤフ氏を巡っては、実業家からシャンパンや葉巻など高額な贈り物を受け取り、特別な計らいをした疑いがある。有力紙に対しては経営上の便宜を図る見返りに、自身に好意的な報道をするよう求めたとされる。

ネタニヤフ氏は「魔女狩りだ」と述べ、一連の疑惑を否定してきた。イスラエルの法律では首相が起訴されても辞任する必要はない。公判中も政治活動は続けられる。

9月のやり直し総選挙で「青と白」は33議席で第1党、リクードは32議席で第2党となった。両党が大連立という形で組めば、一院制の国会(定数120)で過半数を確保できる。リブリン大統領は当初、ネタニヤフ氏に組閣を依頼したが失敗した。その後、ガンツ氏に連立協議を指示した。

ガンツ氏はリクードに大連立を呼びかけてきたが、ネタニヤフ氏の首相続投は受け入れられないという立場だ。ネタニヤフ氏はガンツ氏と交互に首相を務める輪番制を提案したが、ガンツ氏は拒絶した。20日の期限を前に協議は停滞していた。

ネタニヤフ氏が起訴されれば、国民からの批判だけでなく、リクード内でも「ネタニヤフ降ろし」の動きが強まる可能性がある。「青と白」とリクードとの大連立に前向きな極右政党「わが家イスラエル」のリーベルマン元国防相は「リクード内は決して静かでない」と語り、ネタニヤフ氏の続投に批判の声があることを示唆した。

仮にガンツ氏も連立協議に失敗すれば、国会は3週間以内に新たな首相候補者を擁立する必要がある。これもできなければ、国会をまた解散し、2度目のやり直し総選挙になる可能性がある。

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