スリランカ、ラジャパクサ大統領が就任 インドは「親中回帰」を警戒

南西ア・オセアニア
2019/11/18 21:05
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【コロンボ=早川麗】16日投開票のスリランカ大統領選で当選したゴタバヤ・ラジャパクサ元国防次官(70)が18日、大統領に就任した。同氏は親中派として知られる実兄マヒンダ・ラジャパクサ元大統領を首相に起用する考えで、再び中国に傾斜するとの見方が強い。新大統領は外交的に中立の立場を保つ意向を示したが、インドでは「中国の影響力は一段と高まるだろう」(インド紙)と警戒する向きもある。

大統領の就任式で笑顔を見せるラジャパクサ氏(18日、スリランカ北部)=ロイター

18日、仏教の聖地とされる北部アヌラーダプラで就任式が開かれた。ラジャパクサ氏は国家の安全を最優先する考えを強調した。各国関係者を前に「我々は世界の大国の勢力争いに巻き込まれないよう外交的に中立でいたい」と述べた。

隣の大国インドは17日にモディ首相が電話でラジャパクサ氏に祝意を伝えた。インド外務省によると、モディ氏は早期の訪印を求め、ラジャパクサ氏も同意した。表向きは友好的な態度を示したインドだが、同国内には、過度な中国傾斜からの見直しを進めたシリセナ前大統領の政権に比べ、中国依存を強めると懸念する向きが多い。

大手英字紙「ザ・ヒンドゥー」は、ラジャパクサ氏が国防次官だった14年に中国海軍がスリランカのコロンボ港に寄港し、インドが猛反発した経緯を紹介した。「対中傾斜の見直しを掲げたシリセナ前大統領の政権でも中国の進出は抑えられなかった。ラジャパクサ政権では中国の影響はもっとあからさまになるだろう」(インドの元駐スリランカ外交官)とのコメントを紹介した。

ラジャパクサ氏は組閣に着手する見通しで、まずは首相人事が焦点となる。同氏は兄のマヒンダ氏を首相に据える意向だが、現職で第1党の統一国民党(UNP)総裁のウィクラマシンハ首相が退く必要がある。同国では大統領に首相任命権はあるが、2015年改正の現行憲法下で首相の罷免権はなくなったためだ。

このため、新しい首相を置くには現職が辞任するか、議会の解散・総選挙によって現職を失職させなければならない。大統領には議会の解散権があるが、現行憲法では、前回選挙から4年半以上となる20年3月ごろまでは解散できない。これより前に解散するには議員の3分の2の賛同が必要だ。

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