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三菱ケミHD、田辺三菱を完全子会社に 4900億円で
医薬開発のデジタル化急ぐ

ヘルスケア
2019/11/18 19:20
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記者会見する三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長(右)と田辺三菱製薬の三津家正之社長(18日、東京・丸の内)

記者会見する三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長(右)と田辺三菱製薬の三津家正之社長(18日、東京・丸の内)

三菱ケミカルホールディングス(HD)は18日、56%強を出資する上場子会社の田辺三菱製薬を完全子会社にすると発表した。TOB(株式公開買い付け)で出資比率を100%に引き上げる。取得額は約4900億円の見通し。医薬品の開発は大手が資金力を生かして人工知能(AI)やビッグデータを活用し始めている。三菱ケミHDは大手に比べ規模で劣る田辺三菱を完全子会社化し、研究開発のデジタル化をテコ入れする。

「医薬分野でも技術のデジタル化が進み、市場は大きく変化している。再生医療や予防医療など事業領域を広げる中で、今後の成長のために総合力が必要だ」。三菱ケミHDの越智仁社長は18日の記者会見で、田辺三菱の完全子会社化の理由をこう述べた。

医薬業界はAIなどを活用した新手法の新薬開発や、プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業の事業参入などで競争環境が激変している。田辺三菱の三津家正之社長も会見で「(完全子会社化は)時代の必然」と強調。売り上げ規模で国内8位の田辺三菱にとって、研究開発費の上昇や薬価引き下げ圧力などの逆風の中で生き残るには、三菱ケミHDとの連携強化が不可欠と判断した。

具体的には、グループ中核の化学会社である三菱ケミカルが素材関連で進めてきたデジタル開発手法を共有する。従来の創薬にとどまらず健康管理や予防医療、再生医療などの分野でサービスを提供する体制を整える。

田辺三菱は、国内屈指の名門とされた田辺製薬と、三菱ケミHD子会社の三菱ウェルファーマが07年に統合して発足した。しかし、医薬品の販売権を渡しているスイス製薬大手ノバルティスとの間で係争が起き、同社からのロイヤルティー収入を計上できない状況が続く。2020年3月期の連結純利益は前期比87%減の50億円になる見通し。完全子会社になるのを機に出遅れ気味の米国など海外事業を強化する。

三菱ケミHDによる田辺三菱株の買い付け期間は11月19日から20年1月7日。15日終値(1313円)に約53%のプレミアム(上乗せ)をつけ、1株2010円で他の株主から株式を買い付ける。田辺三菱は上場廃止となる見通し。東京証券取引所は18日、田辺三菱製薬を監理銘柄(確認中)に指定すると発表した。

三菱ケミHDは田辺三菱を完全子会社化し、長期的な成長ドライバーと位置づける医薬品事業の業績回復を急ぐ。米中貿易摩擦で中核の石化事業に陰りがみられるためだ。世界シェアの4割を握るアクリル樹脂原料のMMAの国際価格はピークだった昨年夏から4割下落しており、収益改善は当面見込めない。

ただ三菱ケミHDの越智社長は「(完全子会社化による)相乗効果を出すには時間がかかる。現在策定中の2030年の長期目標に向けて結果を出したい」とも述べた。どこまで遅れを挽回できるのか。まずは再編後の具体的な成長戦略をいち早く示すことが必要だ。上場子会社の大陽日酸についても「大きな戦略を考えていく必要がある」(三菱ケミHDの越智社長)としている。

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