GSOMIA迫る期限 協定延長に条件、韓国譲らず

日韓対立
朝鮮半島
2019/11/17 23:00
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日米韓防衛相会談を前に手をつなぐ(左から)韓国の鄭景斗国防相、エスパー米国防長官、河野防衛相(17日午後、バンコク)=代表撮影   

日米韓防衛相会談を前に手をつなぐ(左から)韓国の鄭景斗国防相、エスパー米国防長官、河野防衛相(17日午後、バンコク)=代表撮影   

【バンコク=恩地洋介】日米韓3カ国の防衛相は17日、23日午前0時に迫った日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効を前に会談した。安全保障面での協力を継続することで一致したが、韓国は日本が厳格化した輸出管理措置の撤回を協定延長の条件とする立場を譲らなかった。

韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相は17日の会談で「友好国の日韓が安保協力でも困難に直面し残念だ」と語った。GSOMIAについては外交努力の必要性に触れるだけで強硬姿勢を崩さなかった。日本は輸出管理とGSOMIAの話は別物だとの立場で、韓国の主張する交換条件を受け入れていない。

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鄭氏はかねて「協定がなくなれば北朝鮮と中国、ロシアが喜ぶ」と述べるなど、韓国の安全保障にGSOMIAが果たす役割を認めてきた。国防省や外務省は米韓同盟を重視する立場から延長派が多い。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領の考えは異なる。15日に会談したエスパー米国防長官には「輸出規制をした日本と軍事情報を共有するのは難しい」との認識を伝えた。2020年4月に総選挙を控える。協定を延長する判断は日本や米国の圧力に屈したと映りかねず、自らを支持する革新系団体などの離反を招く恐れがある。

延長にしろ破棄にしろ、いずれの道を選んでも文政権は痛手を被る。米国による再三の警告を無視して協定を失効させれば、米韓同盟は傷つき外交孤立を深める。8月に大統領府が唐突に決めた破棄の判断には日本の安全保障の弱点を突いて、米国を仲介役に引き込む狙いがあったが、結果は裏目に出た。

協定破棄を一方的に決めたものの米国の仲介に頼らざるを得ない状況にある。韓国側によると、韓国は日本側に何度も「延長の大義名分を与えてほしい」と伝えてきたが、前向きな反応は得られなかったという。現在、複数の妥協策を検討しているようだ。

例えば、延長はするが日本が輸出管理措置を撤回するまでは情報交換を制限する案や、日米韓防衛当局の情報交換に関する14年の取り決め(TISA)を補強して再締結する案などが浮かぶ。ただ米国に受け入れられるかは不透明だ。

元徴用工訴訟への対応策が進まない限り、日韓対立の構図は解決しない。ただ日米韓連携の亀裂が深まるほど、北朝鮮からの挑発など地域の安保環境は不安定になり、日本にも影響が及ぶ。

韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相が22日から名古屋で始まる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)外相会合に出席するため来日し、茂木敏充外相と会談する準備も進む。水面下で接触を続ける日韓外交当局は打開策がないか、23日午前0時の失効直前まで探る。

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