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パー5をすべてパーであがる逆算攻略術(上)

 小暮博則プロはパー5をすべてパーであがれる実力がつけばシングルハンディになれると断言する。しかもそれは現在90台のスコアのゴルファーでもしっかりとしたコース戦略を身につければ十分に可能なことだと言い切る。ではどうすれば実現可能となるのか。それはピン下2メートルからの逆算攻略術だという。その真意を詳しく聞いてみよう。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ VOL.44」から)
小暮博則プロはパー5をすべてパーであがれる実力がつけばシングルハンディになれると断言する

―─今号の特集は賢いラウンド術です。現状のスイングやショットはそのままで、ラウンドの仕方を学んでスコアを良くしようというわけです。できればいつでも90を切れるようになりたいと。

小暮 アベレージゴルファーのスコアアップ法ですね。それならば、通常4つあるパー5をすべてパーであがれるようにすることです。そうすれば簡単に90が切れ、シングルハンディにもなれる。しかもそれほど難しいことではありません。

―─すべてのパー5をパーで回れというのですか? 自分の実力からすればかなり難しいことですね。というのも、おそらく自分のゴルフ人生を振り返って、皆無ではないかと思えます。

小暮 確かにアベレージゴルファーの方はパー5でスコアを崩す傾向があります。ボギーでもあがれず、7や8をたたいてしまう。ひどいときは2桁になるといったこともありますよね。ところが実際は、パー5は1打くらいのミスは取り返せますし、パーオンとなる3打目はピンまでの距離が近い。安全に攻めていけばパーは自然に転がり込んできます。パー5はパー3やパー4よりもアベレージゴルファーにとってはるかにパーを取りやすいホールなのです。

―─パー3のほうがパーを取りやすいように思えます。

小暮 アベレージゴルファーはそういうことが多いですよね。でもそれはティーショットでアイアンが使えて、それがたまたまうまくいった場合であって、4つのパー3をすべてパーであがることは意外に難しい。

―─確かに言われるとその通りですね。

小暮 プロの試合を見ても最もバーディーが多いのはパー5です。パー3は意外とバーディーが取れていない。パー5でプロがバーディーを取れるなら、アマチュアはパーが取れるはずなのです。パーが取れないのは攻め方が悪いからに他なりません。

―─我々アマチュアはパー3やパー4ほど考えて攻めてはいないかもしれません。パー5はフェアウエーが広いことも多いので、まずはティーショットをドライバーでかっ飛ばそう、セカンドショットではスプーンでなるべくグリーン近くまで行こうといったアバウトな攻め方をしていますね。

小暮 そうでしょう。パー5はグリーンがはるか遠くに見えるために、どうしてもティーショットから飛ばそうと思ってしまう。それで力んでボールを曲げて林や池、OBに行くことがあるし、ラフに入れることも多いでしょう。しかもラフから何も考えずに長いクラブでセカンドショットを打つのでチョロになる。たとえティーショットがナイスショットでも、セカンドショットで力んでしまい、ダフりやトップを招くし、落とし所が狭いから、ちょっとでも曲げたら林や池に入る。OBに飛んでいくことだってあるでしょう。ティーショットとセカンドショットのミスで大たたきになるわけです。

―─まさにご指摘通りです。特にパー5ではセカンドショットのミスが多いです。めったに打たないスプーンなどで打つから自信がないので痛いミスを犯す。ティーショットのOBなら前進4打もあるけれど、セカンドショットのOBは同じ所からの打ち直し。同じく長いクラブを持つから連続OBということもある。こうなったらスコアは2桁です。

小暮 要するにパー5を何も考えずにとにかく飛ばそう、グリーンに近づこうという単純な考えが大けがを招くのです。打つ前にホール図を確認、どこにどんなクラブでどう打つか、しっかりと考えて攻めていくことです。

―─パー5はティーショットからいろいろな戦略が考えられますね。ティーショットでドライバーを使わなくてもいいし、セカンドショットでアイアンを使う手もありますね。

小暮 どのようにでも刻むことができるのがパー5の良さです。無理やり2オンを狙うことはもちろんないし、安全に攻めても3オンの確率は高い。4オン1パットの計画も立てやすい。どこからでも刻めますからね。つまり、安全に攻めていくことが十分にできる。それができればパーになる確率はとても高くなります。

―─大事に刻んでもパーにできるというわけですね。

小暮 しかし、その刻み方が難しいのです。どこでどう刻むか。どんなクラブでどこを狙うかですが、これは実はティーイングエリアから考えるものではありません。ピンから考えるのです。ピンからティーイングエリアに向かって考える。そうすればどのように攻めていけばよいかがわかります。当然、どう刻むかも判断できます。

―─よく「グリーンから考えろ」と言いますよね。ホールアウトしたら、コースを振り返れと。そうしたら、いかに自分が打ってきたルートが愚かだったかがわかると。よくあんなところからピンを狙ったなとか。だったら、あそこに打っとけよといったことですね。

小暮 その通りです。そして私、小暮としては今回、このピンからの攻略法をさらに具体的に提案します。それはピン下2メートルからの攻略法です。ピン下2メートルに乗せれば、必ず2パットには収められる。1パットも大いにあり得る。将棋で言えば、王手をかけることになります。それも王が逃げられない詰めた王手です。

―─ゴルフでも王手をかけろというわけですね。

小暮 その通りです。グリーンに乗ってもピンをオーバーしての下りのラインや左右の曲がるラインでは王手にはできない。ピン下2メートルならば上りのしっかり打てるライン。王手になります。これを3オンで達成できれば最高ですが、4オン計画でもいいわけです。4オンならばしっかりと刻んで安全に攻めることができますし、1打ミスしても可能です。

―─となれば、いかにピン下2メートルにつけられるかということですね。

小暮 ピンよりもオーバーしない。オーバーすれば3パットもあり得る。ピンの手前に乗せる、それもピン下2メートルならば、簡単にパー5をパーであがれるというわけです。しかもそれが習慣化されれば、パー3でもパー4でもパーであがれるようになる。80台はおろか、70台であがれるようになります。まずはそのことをパー5でパーを取ることから覚えていきましょう。

―─王手をかけるゴルフ。よろしくお願いします。

長めのパー5は4打目を170ヤード+20ヤードにする

小暮 では、具体的にピン下2メートルから考えていきましょう。まずは4オン計画です。距離があるパー5などの計画になります。ピン下2メートルから20ヤード引いた花道に3打目を打ちます。例えば3打目がピンまで190ヤードあるとしたら、およそ170ヤードを打ちます。つまり、無理にピンを狙うのではなく、ユーティリティーなどで刻むわけです。そうすることでガードバンカーやラフに打ち込まずに済む可能性が上がります。4打目は上げて寄せてもいいし、転がして寄せてもいい、自分の好きなアプローチでピン下2メートルにつけるのです。

―─なるほど、ピンまでの長い距離を無理に狙わずにユーティリティーで花道狙いにする。それはあくまで目安で、それでもバンカーに入ると思えばアイアンを使ってもっと刻んでもよいわけですね。2メートル下というのはオーバーだけは絶対にダメということでもう少しピンに寄せてもよいわけですね。

小暮 その通りですが、アプローチで直接入れてやろうといった欲は禁物です。せっかく刻んだのですから、大事にピン下2メートルに寄せてください。そして、グリーン手前に刻んだ170ヤードのサードショットの地点へ、セカンドショットをどう打つかですが、もうわかりますよね。

―─先程も話した最も危険なセカンドショットですね。できればフェアウエーウッドを使わずにアイアンで大事に打ちたいところですね。例えば7番アイアンで150ヤードをフェアウエーにしっかり打つとか。

4オン計画なのでセカンドショットは無理に飛ばそうとせず、7番アイアンで打つ

小暮 その通りです。セカンドショットが7番アイアンなら使い慣れているクラブだけにミスは少ないでしょう。普段使っていないスプーンで無理やりグリーンに近づけようとするから、大けがを巻き起こすわけです。そして7番アイアンで150ヤード打つのなら、540ヤードのパー5ならば、ティーショットを200ヤード打てばよいわけです。200+150+170+20=540になりますので。

―─確かにその通りで、そうなると楽に攻めていけますね。そもそもティーショットをドライバーで打つ必要がなくなりますから。

小暮 ティーショットはスプーンやクリークで構わないわけです。ドライバーよりもクラブが短く、ロフトがあるのですから打ちやすく、池や林、OBは避けやすい。仮にハザードを避けてラフに入ってもセカンドは7番アイアンを使えばよいので、ラフからでもミスショットにはなりにくい。4オン計画が無事に行えるというわけです。

ティーショットは200ヤード飛べば十分なのでクリークで打つ。池や林、斜面などに行かないように気をつける

―─540ヤードのパー5ならば、これまでよほどのことがない限りドライバー以外でティーショットはしなかったでしょうし、セカンドショットがフェアウエーから打てるなら、7番アイアンで打つことはなかったと思います。

小暮 レギュラーティーならば、パー5は540ヤード以内が多いのではないでしょうか? 仮にそれ以上の距離があったとしても、セカンドショットをユーティリティーにすればいい。ティーショットでドライバーを使う必要はありません。逆にハザードがなければドライバーを使って、セカンドとサードでアイアンを使い、4オン計画を達成してもいい。クロスバンカーや林や池といったハザード、フェアウエーの狭さや傾斜などを考えて、どんなクラブであれば安全に打てるかを考えて攻めていけばよいと思います。そうしてとにかくピン下2メートルに4打目をつければパーは取れますから。

―─パー5の攻め方を考えるだけでも楽しいですね。

(次回は12月7日に掲載予定。文:本條強、撮影協力:久邇カントリークラブ)

 こぐれ・ひろのり 1972年11月27日、埼玉県生まれ。184センチ、78キロ。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングプロ。明治大学ゴルフ部で活躍。世界最先端の打法を直接学び、アマチュアの適性を見極めてレッスンに生かしている。小暮プロによるゴルフレッスン&クリニック「パーフェクトゴルフアカデミー」はhttp://pfga.co.jp
「書斎のゴルフ」公式ホームページはこちら。http://syosainogolf.com/index.html

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