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こだわり貫き大舞台つかむ 伊藤、卓球代表一番乗り

Tokyo2020
2019/11/17 10:51
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東京五輪のシングルス代表を確実にした伊藤美誠

東京五輪のシングルス代表を確実にした伊藤美誠

卓球女子の伊藤美誠(スターツ)が東京五輪のシングルス代表を確実にした。開催中のオーストリアオープンで4強入りし、来年1月時点の世界ランキングで日本選手の上位2位以内となることが確定。日本協会の基準を満たすため。男女で計6人が選ばれる卓球の五輪代表の第1号となる。プレースタイルや思考で独自性を貫き、実力者ぞろいの選考レースを抜け出した19歳。団体銅メダルを獲得したリオデジャネイロ大会に続く代表入りで、シングルスでの出場は初めてだ。打倒中国の一番手として、日本卓球界初の金メダルに挑む。

【関連記事】伊藤美誠、五輪代表へ 卓球シングルス

五輪のシングルス代表は各国・地域で2人まで。日本女子は伊藤のほか、石川佳純(全農)と平野美宇(日本生命)がいずれも世界ランクのトップ10に入るなど激戦が続いていた。伊藤は10月上旬のスウェーデンオープンで同学年の平野との直接対決を制し、格上の中国選手2人も撃破。続くドイツオープンと続けて準優勝を果たし、ライバルを一気に突き放していた。

特筆すべきは世界トップに君臨する中国勢との戦績だ。今年は11月上旬に東京で開かれたワールドカップ(W杯)団体戦までに20試合を戦い、格上を含む相手から8勝。18年は20戦して12勝と勝ち越しており、「卓球王国」に世界で最も肉薄する選手といえる。

ドライブが主流の現代卓球界において、バック面に貼った表ソフトラバーから緩急をつけるプレースタイルは極めて異質な存在。多彩なサーブにバック面でボールをこする「逆チキータ」、バックスイングのほとんどないスマッシュ「みまパンチ」……。リスクと隣り合わせの独自の戦術を柔軟な発想と高い技術力で昇華し、誰にもまねできない形へと磨き上げた。

己の信じた道を突き進むため、周囲と異なる選択もいとわない。18年秋開幕のTリーグには「小学生からの夢『オリンピックで金メダル』を実現させるため、限られた時間を強化に専念する」と参戦せず、石川や平野らが出場した今年のスウェーデンオープン前のアジア選手権(インドネシア)も参加を見送った。

1年中試合で世界を転戦するトップ選手は練習時間がなかなか持てないが、伊藤は試合数を絞ってでも調整に充ててきた。中国トップ選手を倒し始め、「大魔王」と呼ばれて警戒されても互角の戦いを続けられるのは、強化と実践をバランス良くこなせているからだろう。

東京五輪では初採用の混合ダブルスを含め、全3種目でメダル獲得の期待がかかる

東京五輪では初採用の混合ダブルスを含め、全3種目でメダル獲得の期待がかかる

今年1月の全日本選手権ではシングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3冠を2年連続で達成。最近は水谷隼(木下グループ)と組んだ混合ダブルスでワールドツアーを制するなど、日本屈指のダブルス巧者でもある。日本女子は五輪の団体戦で銀、銅と連続してメダルを獲得してきているが、個人戦のメダルはまだない。東京五輪で初採用される混合ダブルスを含め、伊藤は全3種目でメダルを取れる可能性がある。

東京五輪と同じ会場で行われた今月のW杯団体戦では全試合にシングルスのエースとして出場し、決勝進出に貢献。決勝で同世代の中国選手に悔しい逆転負けを喫したものの、「短期間で実力が上がったのはすごく分かる。もっともっと突っ走って、中国人選手やどんな選手にも勝てるようにしていけたら」と前向きに話していた。

「勝つための一番の秘訣は楽しむこと」とピンチでもあえて笑顔をつくるのも伊藤流。20歳で迎える2度目の大舞台へ、これからも自然体で頂点だけを目指すつもりだ。

(鱸正人)

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