マレーシア与党連合が大敗 下院補選

2019/11/17 0:04
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【シンガポール=中野貴司】マレーシア南部のジョホール州タンジュンピアイ選挙区の下院補選が16日投開票され、与党連合の候補が野党連合の候補に大敗した。同補欠選挙は9月に2大野党が新連合を結成してから初の主要な選挙で、新連合の候補者の一本化が早速効果を上げた。与党連合への信任低下も鮮明になり、マハティール政権にとっては打撃となる。

下院補選での大敗はマハティール政権に大きな打撃となる=ロイター

選挙委員会の発表によると、野党連合のウィー・ジェクセン候補が、与党連合の候補の2.5倍近い票を得て圧勝した。補選は与党連合の現職の死去を受けて実施された。

マレーシアの2大野党である統一マレー国民組織(UMNO)と全マレーシア・イスラム党(PAS)は9月に新連合を結成した。今回の補選でPASは候補者の擁立を見送り、UMNOなどが支持するウィー候補を側面支援した。野党支持者の票が割れなかったことが、大差がつく要因となった。

ともにマレー系を支持基盤とするUMNOとPASは、2023年までに開かれる次の総選挙でも候補者の一本化を模索している。今回の下院補選の勝利は次の総選挙の共闘のモデルとなる。

18年の前回総選挙では多くの選挙区でPASと、UMNOが中核となっている国民戦線の候補が争い、結果的にマハティール首相率いる現与党連合に政権奪取を許すことになった。野党候補の票を足せば与党連合候補の得票を上回っていた選挙区も少なくなかっただけに、野党連合の共闘に弾みがつきそうだ。

一方、与党連合にとって、有力州のジョホール州で議席を奪われたことは手痛い敗北となる。1月のパハン州の下院補選など19年に入って、与党連合が敗れる選挙が相次いでいたが、今回は事前の想定を上回る大差での敗北となった。多くの政権公約が実現できていないマハティール政権への国民の不満が高まっていることが浮き彫りになった。

マハティール氏の後継を巡るアンワル元副首相とその対立陣営の争いも激しくなっており、4党の寄り合い所帯である与党連合内で不協和音が目立っている。政権基盤を早急に立て直さないと、与党連合の支持率が今後もずるずると低下していく懸念がある。

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