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香港、通年もマイナス成長へ 19年、消費減が深刻

【香港=木原雄士】政府に対する抗議活動が続く香港経済の落ち込みが深刻になってきた。香港政府は15日、2019年の実質域内総生産(GDP)伸び率が1.3%のマイナスになるとの見通しを発表した。通年のマイナス成長はリーマン・ショック後の09年以来10年ぶりとなる。米中貿易摩擦に加え、デモ長期化による社会の混乱が景気減速に追い打ちをかける。

香港の幹線道路を埋め尽くすデモ参加者

政府は8月時点で通年の成長率見通しを0~1%としており、大幅に下方修正した。民間エコノミストの予想平均(マイナス0.7%)も下回った。政府は公表文で「社会的な問題(大規模デモ)の影響が和らぐ兆しが見えず、年内は消費や投資が低迷する可能性が大きい」と指摘した。

デモの影響が大きいのは観光客の落ち込みによる個人消費の低迷だ。7~9月の香港への訪問客は前年同期比26%減った。中国本土からの団体ツアー中止が相次ぎ、観光客の8割を占める本土客が28%減少したのが響いた。

ここ数年、本土客は香港で化粧品や宝飾品などの消費をけん引してきた。デモは尖沙咀(チムサーチョイ)や銅鑼湾(コーズウェイベイ)といった繁華街でも頻発し、客足が遠のいている。小売売上高は8月に前年同月比23%減り、9月も18%減だった。10月以降も臨時休業や閉店時間を早める動きが続いており、回復の見通しは立たない。

大型イベントの中止で飲食店やホテルも打撃を受けている。ホテルの客室稼働率はデモ前の90%前後から60%台に低下したようだ。規模が小さい香港経済は外部環境の影響を受けやすい。デモの前から米中貿易摩擦や中国経済の減速といった逆風下にさらされ、デモがさらなる追い打ちになった形だ。

もっとも、デモの影響は濃淡がある。新規株式公開(IPO)は8月にわずか1件に落ち込んだものの、9月以降は回復基調にある。ビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブのアジア子会社や物流不動産ESRケイマンなどの大型上場が相次ぎ、月内には中国ネット通販最大手アリババ集団も上場を予定している。

世界一高いとも言われる住宅価格はデモ前の5月と9月を比べると4%ほどの下落にとどまっている。構造的な住宅不足の問題を抱えており、一連のデモで価格が大幅に下がるとの見通しはまだ少数派だ。香港金融管理局(HKMA)によると、香港ドル預金は前年比プラスで推移しており、データ上は香港から大幅な資本流出の形跡はまだみられない。

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