トランプ氏、公聴会中に「証人脅迫」 弾劾調査に不満

トランプ政権
2019/11/16 5:35 (2019/11/16 5:53更新)
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トランプ米大統領は米議会の証人を批判している(14日)=AP

トランプ米大統領は米議会の証人を批判している(14日)=AP

【ワシントン=中村亮】米議会下院の情報特別委員会は15日、ウクライナを巡るトランプ大統領の不正疑惑についての公聴会を開き、マリー・ヨバノビッチ元駐ウクライナ大使が出席した。トランプ氏は公聴会中に「ヨバノビッチ氏が赴任した国はどこも悪い状況になった」とツイッターで批判した。証人の信用をおとしめる投稿は「調査妨害」や「脅迫行為」として弾劾訴追の根拠に盛り込まれる可能性もある。

ヨバノビッチ氏は計7カ国の在外公館などで勤務。オバマ前政権下の2016年夏にウクライナ大使に就任し、19年春に召還された。疑惑解明のカギを握る人物の一人として、15日の公開証言に臨んだ。

トランプ氏は公聴会の進行中にツイートし、ヨバノビッチ氏の最初の赴任先であるソマリアをあげて「うまくいったのか?」とツイッターに書き込んだ。

同国では現在もテロの脅威が高く、ヨバノビッチ氏が成果を出せなかったとの見方を示唆した。ウクライナのゼレンスキー大統領がヨバノビッチ氏に否定的な見解を示したとも指摘しながら個人攻撃した。

ヨバノビッチ氏は公聴会でトランプ氏のツイートについて「とても脅迫的だ」と語った。野党・民主党のアダム・シフ情報特別委員長も「証人に対する米大統領の脅迫行為をリアルタイムで目撃した。我々は深刻にとらえている」と強調した。議会の弾劾調査を妨げた疑いもあり、民主党は大統領弾劾の根拠に相当するか協議するとみられる。

民主党の批判を受けて、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し「脅迫行為だとは全く思わない」と反論した。「弾劾調査は我が国に対する侮辱行為だ」と不満をぶちまけた。グリシャム大統領報道官も声明で「トランプ氏に認められた意見表明だ」と説明し、脅迫には相当しないとの考えを示した。

一方、ヨバノビッチ氏は15日の証言で、トランプ氏が今年春に明確な理由を示すことなく自身の召還を決めたと述べた。サリバン国務副長官から「トランプ氏が18年夏から召還を画策していた」と説明されたことも明らかにした。

さらに、トランプ氏の顧問弁護士ジュリアーニ氏が召還に向けて工作活動をしていたとも証言。ジュリアーニ氏は汚職が指摘された当時のウクライナの検事総長と組み、「トランプ氏の指示は無視してよい」とヨバノビッチ氏が大使館職員に指示したなどの偽情報を流したという。

ヨバノビッチ氏は検事総長の汚職行為を厳しく追及しており、その報復を受けたとみられる。ヨバノビッチ氏の召還後、ジュリアーニ氏は20年の大統領選の有力候補のバイデン前副大統領の不正調査をウクライナ政府に強く求めるようになった。ヨバノビッチ氏が調査実現に協力的でないと判断し、召還に向けた裏工作をした疑いがある。

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