中国ネット通販の京東、純利益79.6%減 7~9月期
【大連=渡辺伸】中国ネット通販2位の京東集団(JDドットコム)が15日発表した2019年7~9月期決算(米国会計基準)は、純利益が前年同期比79.6%減の6億元(約90億円)だった。売上高は28.7%増の1348億元で、7~9月期として過去最高となった。地方都市の消費者の開拓を進めた一方で、物流費などコストがかさみ、収益が落ち込んだ。

京東は、ロボットや人工知能(AI)などの最新技術を使って効率的に配送を管理する倉庫を増設するなど設備投資がかさんだ。地方の小規模な都市でも、注文から24時間以内で配送を終えるサービスを本格化したことなどでコストが増えた。
ネット通販のユーザー数は19年9月末時点で3億3400万人。前年同期比で9.5%増となり、売上高の増加につながった。
ただ調査会社の易観によると、中国ネット通販市場の19年7~9月期のシェアで、京東は25.7%と、前年同期(25.8%)からわずかに落ち込んだ。アリババの主力通販サイト「天猫(Tモール)」は63.1%(前年同期は59.5%)で、両社の差は広がっている。
国家統計局によると、中国全体のネット通販販売額は19年1~9月期で前年同期比16.8%増えた。ただ大都市ではサービスが飽和状態となっており、3~4割増の勢いがあった17年までに比べると勢いは鈍っている。各社は今後いかに地方都市で販売を伸ばせるかが一つの勝負で、激しいシェア争いが続いている。