独・オランダ、IS戦闘員受け入れでトルコと合意

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2019/11/15 18:53
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【イスタンブール=木寺もも子】トルコが拘束していた過激派組織「イスラム国」(IS)の戦闘員の身柄を巡り、同国はドイツとオランダ両国の政府と引き渡しで合意した。それぞれの国の出身者が対象となる。両国はいったん入国させた後、国内法で対応するとみられる。欧州諸国はISに加わった自国民や家族の受け入れに積極的ではないが、人権重視の立場から判断を迫られている。

14日、ベルリンに到着したIS戦闘員の家族ら=ロイター

トルコのソイル内相が13日、ドイツとオランダとの合意を明らかにした。

通信社の報道によると、ドイツ連邦警察は14日、トルコから送還されたイラク系の家族7人の身柄を、拘束したと明らかにした。ISに関与した疑い。ドイツ外務省は11日、トルコがドイツの市民権を持つ10人を送還すると知らせてきたと説明していた。同省は10人がIS戦闘員かどうかは確認していない。拘束された7人が含まれるか否かも明らかにされていない。

ロンドン警察は14日、ヒースロー空港で26歳の男を拘束した。男はトルコから到着したが、トルコが送還を予告していたISの英国人戦闘員かどうかは分かっていない。11日にトルコから送還されたデンマーク人が同国到着後に拘束されたとの情報もある。

フランスにはトルコから11人が送還される見込みだ。司法当局が刑事責任を問えるか否かを判断するとみられている。

フランスのヌニェス内務副大臣は13日、仏メディアに「トルコがフランス人を送り返してくるのはこれが初めてではない」と述べ、過剰に懸念する必要はないと指摘した。同氏によると、これまでもトルコはフランス籍の戦闘員ら250人以上を送還してきたという。

トルコ内務省は11日、20人以上の欧州出身のIS戦闘員を出身国に送り返す手続きを始めたと公表していた。

11日にはISの米国人戦闘員がトルコとギリシャの緩衝地帯に取り残されたことがわかった。この米国人はギリシャ入国を求めたが、同国に拒否された。トルコ政府は15日、この男を改めて米国に向け出国させた。米国は引き取る意向のようだ。

ポンペオ米国務長官は14日、IS掃討を続ける各国との会合で「戦闘員を引き取って残虐行為への責任を問わなければいけない」と述べた。

トルコはこれまでISの外国人戦闘員を約1200人拘束していたとしている。2018年のロンドン大キングスカレッジの過激化・政治暴力研究国際センター(ICSR)調査によると、過激派組織に加わるためシリアやイラクなどに渡った欧州出身者は約6000人にのぼる。

欧州各国が警戒しているのは、送還された戦闘員や家族が、刑務所や日常生活で過激思想を広め、新たなテロを引き起こすことだ。一方、法律や人道的な見地から、受け入れを完全に拒否することはできないとの見方は専門家にも多く、対応に苦慮しているのが実情だ。

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