中国外務省、北大教授を「15日釈放」

2019/11/15 18:38
保存
共有
印刷
その他

【北京=羽田野主】中国外務省の耿爽副報道局長は15日、9月に北京を訪問中に中国当局が拘束した北海道大の40代の男性教授を同日付で釈放したと発表した。北大教授は国家機密に関わる資料を保持したとして、刑法と反スパイ法に違反した疑いで9月8日に国家安全部門が拘束したと説明した。

耿氏は「調査の結果、9月の中国訪問時のほかにこれまでも大量の機密資料を違法に収集していたことを本人が供述した」と述べた。「法に基づき教育と戒めをしたうえで釈放することにした」と話した。

突然にもみえる北大教授の釈放について、北京の外交筋は「日中関係の改善を優先したのだろう」とみる。トランプ米政権との対立が長引く中国政府にとって日本との関係改善は最重要課題のひとつだ。

習近平(シー・ジンピン)国家主席は来年春に国賓として訪日する予定。「北大教授の拘束が続けば習氏の訪日に向けた政府間の調整の障害になりかねない」との声は日中双方の外交筋から上がっていた。日本の中国研究者の間では中国への渡航を取りやめたり、交流事業を見直す動きも広がっており、早期の幕引きにした可能性がある。

中国国内では反スパイ法が施行された2015年から少なくとも14人の日本人が拘束され、このうち9人が起訴された。拘束された理由や経緯など情報開示が十分でないと指摘されており、今後も重い外交課題になりそうだ。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]