UACJ 薬の服薬、錠剤包装の回路で検知可能に

UACJ、独SAPの日本法人、SAPジャパン(東京・千代田)などは15日、回路付きアルミ箔を活用し、服薬を管理するシステムの共同研究を始めたと発表した。錠剤の包装に導電性インキで回路を印刷したアルミ箔を貼り付け、破断を検知して服薬を確認する。医療費増大の一因となっている残薬問題の対策につなげる。2022年までの実用化をめざす。
開封を検知できるアルミ箔はUACJとUACJ製箔が開発・製造する。錠剤を服用する際に回路を印刷したアルミ箔が破けると、電気が通らなくなる。その信号を錠剤パッケージに取り付けた通信デバイスが受信。通信デバイスから近距離無線通信「ブルートゥース」でスマートフォンに通知し、家族や医師ら必要な人に服薬の情報を送る仕組み。
SAPジャパンはデータを収集し解析するためのソフトウエアを提供する。現役臨床医400人のオンラインプラットフォームを運営するドクターズ(東京・港)も参画し、医療現場の知見や実証実験のフィードバックを提供する。
日本薬剤師会(東京・新宿)の推計によると、75歳以上の残薬は年間470億円規模にのぼる。残薬問題の対策が急務となっている。