コクヨ、ぺんてるを敵対的買収方針 ぺんてる側は反発

2019/11/15 16:45 (2019/11/15 22:55更新)
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ぺんてるの連結子会社化の計画を発表するコクヨの黒田英邦社長(右)(15日、東京都港区)

ぺんてるの連結子会社化の計画を発表するコクヨの黒田英邦社長(右)(15日、東京都港区)

文具最大手のコクヨは15日、筆記具大手ぺんてるの既存株主から株式を買い取り、同社の買収を目指すと発表した。1株3500円で取得し、議決権比率を現在の37.8%から50%超に引き上げる方針だ。買収には約38億4千万円かかる。コクヨはぺんてるに出資しながら提携を協議してきたが、膠着状態に陥っている。経営権を握り事態を打開したい考えだが、ぺんてるは反発している。

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コクヨの黒田英邦社長は東京都内で記者会見し、株式を買い増す理由について「ぺんてるが第三者と大規模な資本提携を進めるとの情報があり、実行に移っている可能性が高い」ためだと説明した。第三者は文具大手プラスとみられる。プラスは同日、「コメントは差し控える」とした。

両社の関係がこじれたきっかけは、コクヨが5月、ぺんてるの筆頭株主だった投資会社マーキュリアインベストメントのファンドに101億円出資したことにあった。コクヨは間接的に株式を保有し、ぺんてるの事実上の筆頭株主となった。

コクヨは9月、ファンドから株式を取得して直接出資に切り替えた。ぺんてる側は、それまで拒んでいた「協力関係構築に向けた協議」を始めることで合意した。ただ、独立性を保ちたいぺんてるはコクヨに対し、これ以上、株式を買い増さないよう求めた。

ぺんてるはコクヨによる敵対的買収に反発している

ぺんてるはコクヨによる敵対的買収に反発している

黒田社長は「海外事業での連携の協議は比較的進んでいたが、国内事業は議論が進まないことがあった」と話した。こうした状態のなか、ぺんてると第三者との資本提携の計画について書かれた詳細な文書がコクヨに届き、不信感が強まったという。

ぺんてるは15日、コクヨに強く反発した。株式を買い増さないよう繰り返し要望していたことに触れ「突然、子会社化する方針を明確にしたことに強い憤りを覚える」とのコメントを出した。

第三者との提携を巡っては「他社と様々な協議を実施することは経営として当然」としたうえで、コクヨに事前に知らせるという取り決めはないと主張した。

今後の焦点は、コクヨが実際に50%超の議決権比率を確保できるかどうかだ。買い付けの期間は12月15日までの1カ月間。すでにぺんてる株主から売却の話があるという。第三者の企業などの出方によっては、ぺんてるの争奪戦に発展する可能性がある。

ぺんてるは非上場で、取引先やOBなど数百の株主がいるもよう。同社の株式には、譲渡しようとする場合にぺんてるの承認が必要となる「譲渡制限」がついている。

このためコクヨは、今回の計画をぺんてるの臨時株主総会に持ち込むことまで想定している。

まず既存株主から株式を買い取る際、ぺんてるの総会での議決権をコクヨに委任することもセットにする。ぺんてるが取締役会で譲渡を却下した場合、臨時総会を招集して経営陣の刷新を提案するという。

コクヨは2018年12月期の連結売上高が3151億円と、ぺんてるの約8倍ある。ただ、ぺんてるはコクヨが手薄なペンに強く、重複商品が少ない。海外売上高もぺんてるが6割を超える一方、コクヨは1割に満たない。海外市場の開拓のためにもぺんてるが必要との立場だ。

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