奈良県で2004年に小学1年の有山楓(かえで)ちゃん(当時7)が誘拐、殺害された事件の発生から17日で15年となるのを前に、楓ちゃんが通った奈良市立富雄北小で15日、児童の安全や命の大切さを考える全校集会が開かれた。
事件の記憶を受け継ぎ、子どもたちが同様の悲劇に巻き込まれないようにするため、同小が毎年実施している。600人近くの児童が午前8時半ごろ、体育館に集合。事件を受けて集団登下校を始めたことを説明し「見守られていることを当たり前と思わず、感謝の気持ちを持ち続けて」と語る後藤誠司校長(56)を前に、安全に行動することを誓った。
同小は集会後、命の重みなどについて学ぶ非公開の授業を、各教室で実施した。
学校や地域住民の代表者らは、楓ちゃんの遺体が見つかった同県平群町の現場で献花し、追悼の祈りをささげた。線香を上げた富雄地区自治連合会の残田征紀会長(76)は「楓ちゃんのことを忘れない。安全な地域をつくりたい」と決意を新たにした。〔共同〕