西部ガス、不動産・海外事業に500億円投資
20~22年度中期経営計画

九州・沖縄
2019/11/14 20:17
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西部ガスは14日、2020年度から始まる3カ年の次期中期経営計画を発表した。不動産や海外への液化天然ガス(LNG)販売といった成長事業と位置付ける分野に最大で500億円投資する。主力のガス事業では工場などの産業用向けの都市ガス需要を開拓し、販売数量の引き上げを目指す。

中期経営計画「スクラム2022」について説明する道永社長(14日、福岡市)

「これまでの3年間でチャレンジする風土を醸成できた。新たな事業の柱を作るために投資は惜しまない」。同日、福岡市で会見した道永幸典社長は強調した。

500億円の内訳は明らかにしなかったが、太田良取締役は「不動産事業が最も多くなる見通し」とした。特にマンションやオフィスなどの賃貸事業を重点投資分野と位置付ける。福岡市を中心に地盤である北部九州での展開を視野に入れる。

道永社長は「自動車の残価設定ローンのように、物件を取得して10~20年賃貸し、その後に転売するようなモデルも考えられる」と話した。

西部ガスは17年に九州・山口を地盤とするマンション販売会社のエストラストを買収し、今年2月には吉川工務店(福岡市)など地元ゼネコン2社を傘下に収めた。現在売上高に占める割合は14%だが、今後もM&A(合併・買収)を含めて22年度までに19%まで高めたい考えだ。

不動産に次ぐ投資を計画するのがアジア向けのLNG出荷事業。14年に稼働を始めたひびきLNG基地(北九州市)を北極海とアジアを結ぶ輸送ハブにし、中小型船やコンテナに積み替えてアジアの需要家へ出荷するという青写真を描く。事業化へ向け、9月にはロシアのガス大手ノバテクと20年3月の合弁会社設立に向けて協議を始めた。

小売り自由化で顧客獲得競争が激化しているガス事業では、大口顧客となる産業用に力を入れる。現在はパイプライン経由で送る顧客が中心だが、「タンクローリーで供給できる潜在顧客が多いと見ている」(太田取締役)とし、地盤である北部九州以外での需要開拓も視野に入れる。22年度の都市ガス販売量は18年度比14%増の10億3千万立方メートルを見込む。

売上高は2400億円、経常利益は3年間で計320億円を目標にする。道永社長は「(司馬遼太郎の小説)坂の上の雲に『まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている』という一節があるが、それを凝縮したような計画だ」と話した。

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