高齢者の介護移住促進、自治体の負担ならす議論開始
厚労省、不公平感の払拭課題に

2019/11/14 20:33
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厚生労働省は14日、介護施設に入る高齢者への給付費を入る前に住んでいた自治体が負担する「住所地特例」制度の対象を拡大する議論を始めた。認知症の高齢者が共同生活する「グループホーム」などは対象外で、受け入れる自治体が改善を求めていた。高齢者の地方移住は進まず、財源負担の不公平感をいかに払拭するかが課題になっている。

介護サービスの利用は増え続けている

14日に社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の介護保険部会で議論した。介護保険では原則、住民票を置いた市町村が高齢者の介護に給付する。だが、多くの介護施設がある自治体に高齢者が集まると、その自治体の負担が重くなる。そこで例外的に住民票を移す前の自治体が給付する住所地特例の仕組みがある。

今は特例制度を使えるのは高齢者が特別養護老人ホームや有料老人ホームなどに移住した場合に限っている。2017年度末の利用者は16万人で、介護保険に加入する高齢者の0.5%にとどまっている。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、東京圏(1都3県)で75歳以上の人口は15年から25年の10年間で、175万人増える見通し。内閣官房によると地方への移住を希望する人は60代男性で37%、女性で28%おり、受け入れ先の体制整備が課題になっている。

全国町村会顧問の藤原忠彦氏(長野県川上村長)は14日の部会で「住所地特例は移住促進の観点から課題も多い。財政面で不公平感がない対応をお願いしたい」と語った。一方、厚労省は各市町村の財政負担をならす「調整交付金」を精緻化するなどして対応しているとして、特例措置の拡大に慎重だ。厚労省は審議会での議論を踏まえ、必要な措置を検討する。

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