東北地銀4~9月期、9行・グループが最終減益・赤字

北海道・東北
2019/11/14 18:40
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東北6県の地方銀行の2019年4~9月期連結決算が14日、出そろった。最終損益は9行・グループで減益か赤字だった。長引く低金利で本業の貸し出しに伴う金利収入が反転の兆しをみせない。有価証券の運用に逆風が強まり、足元では与信費用も増えている。低金利と人口減で経営が厳しさを増すなか、異業種との提携で生き残りを模索する動きが出てきた。

みちのく銀行の連結最終損益は15億円の赤字(前期は16億円の黒字)で、20年3月期の業績予想を下方修正した。最終損益が前回予想の18億円の黒字から42億円の赤字に転落する。赤字はリーマン・ショック後の09年3月期以来11年ぶり。与信費用が当初予想より上回る見込みで、有価証券の含み損処理や店舗統廃合で発生する減損処理の前倒しが主な要因だ。

13行・グループ合計の連結純利益は前年同期比20%減の253億円だった。本業のもうけを示す実質業務純益(単体)は6行・グループが減益。低金利の影響で貸し出しや手数料収入などで稼ぐ「資金利益」が伸び悩んでいる。青森銀行は27%減で貸出金利息収入や有価証券利息収入の減少が資金利益を押し下げた。

貸出金残高は7行・グループが減った。日銀によると、東北の銀行の貸出金残高の伸び率は今年3月から1%台で推移している。全国平均の2%台に比べて半分程度だ。山形銀行は貸出金残高が18年9月末から376億円減った。企業や自治体向けを減らしたためで、「マイナス金利で利益が出る状況ではない。無理な営業をしなかった」(長谷川吉茂頭取)

低金利で有価証券運用にも厳しさが出ている。東邦銀行は前年同期に比べて有価証券残高が3分の1近くに減った。大きく減らしたのが国債だ。償還や売却で9月末は461億円と10分の1まで落ち込んだ。「世界的な超金融緩和が続くなか、金利リスク回避の観点から再投資していない」(同行)と説明する。

きらやか銀行も366億円減った。粟野学頭取は「マイナス金利の影響は有価証券に移りつつある。再投資するものが見当たらない」と話す。

決算発表で質問に答える七十七銀行の小林英文頭取

決算発表で質問に答える七十七銀行の小林英文頭取

足元では不良債権処理費用や貸倒引当金など与信費用の増加が重荷となっている。七十七銀行は43億円増。前期に計上した「戻り益」の15億円がなくなり、不良債権処理額も30億円増えた。東日本大震災の復興需要が一巡したことで、債務者区分が悪化した取引先もあった。「将来をにらんで予防的に引当金を多めに積んでいる」(小林英文頭取)と説明している。

SBIホールディングスとの資本・業務提携を発表する福島銀行の加藤社長

SBIホールディングスとの資本・業務提携を発表する福島銀行の加藤社長

生き残りをめざして異業種と提携を探る動きが出てきた。福島銀行は11日、SBIホールディングスとの資本業務提携を発表した。加藤容啓社長は会見で、「多様化する顧客ニーズに応えるには銀行業だけでなく、さまざまなノウハウや新技術を持っている企業との連携が必要だ」と話す。

長引く低金利や人口減など厳しい経営環境が、再編に慎重だった東北地銀の背中を押している。

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