米トルコ、亀裂回避を優先 ミサイル・シリア問題先送り

中東・アフリカ
2019/11/14 18:12
保存
共有
印刷
その他

【イスタンブール=木寺もも子】13日、米ワシントンで行われた米トルコ首脳会談は、トルコによるロシア製ミサイルの調達やシリア侵攻といった懸案を先送りし、決定的な亀裂の回避を優先した。米議会の対トルコ強硬論が勢いを増す中で、首脳間の「相性」に依存する外交には限界がみえる。

13日、共同記者会見の席で握手するトランプ大統領(右)とエルドアン大統領(ワシントン)=ロイター

「建設的な会談だった」。会談終了後の共同記者会見でトランプ米大統領は「個人的にも国同士でもすばらしい関係を築いている」とエルドアン・トルコ大統領を持ち上げた。

両首脳は衝動的な決定や取引を好む政治・外交手法が類似する。トランプ氏はエルドアン氏のような強権指導者への憧れを持つことでも知られる。

共同記者会見では、トルコが抱える約400万人の難民について欧州が相応な負担をしていないと訴えるエルドアン氏に対し、トランプ氏が「欧州は(支援を)強化すべきだ」と同調する場面もみられた。

今回の首脳会談は、北大西洋条約機構(NATO)を通じた同盟国である米トルコ間の確執が深まる中で開かれた。

トルコは米国の制止を振り切る形で、NATOと対立するロシアからミサイル防衛システム「S400」を購入。7月に搬入が始まり、年内にも運用が始まる見通しだ。米国はこれを受けトルコを最新鋭ステルス戦闘機「F35」の共同開発プロジェクトから排除した。

10月のトルコによるシリア北部への侵攻は、トランプ氏による唐突な駐留米軍の一部撤退決定が事実上の「ゴーサイン」となり始まった。ただ、米議会はこれに強く反発しており、下院は対トルコ制裁法案を可決した。上院も同様の法案を審議している。経済分野では対イラン制裁に違反したとして、トルコの国営銀行に対し米当局が巨額の罰金を科す可能性も浮上している。

首脳同士の友好的な言葉遣いとは裏腹に、こうした懸案を巡る両国の溝は埋まっていない。両首脳は高官協議の継続表明でその場を取り繕ったが、具体的な解決策は示せていない。

反トルコ感情を強める米議会からの圧力にさらされているトランプ氏は、首脳会談の一部に共和党議員らを参加させた。同席したグラム上院議員は会談後の声明で「(米トルコの)関係が救われることを望むが、可能かどうかは時間がたたなければ分からない」とけん制した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]