スポーツ > Tokyo2020 > GO TOKYO > 記事

GO TOKYO

フォローする

空手・西村、蹴りで頂点へ 組手75キロ級「金」候補

Tokyo2020
2019/11/14 17:30
保存
共有
印刷
その他

東京五輪で新競技となる空手。強豪ぞろいの日本代表の中でも、金メダルに最も近い一人と目されるのが組手男子75キロ級の西村拳(チャンプ)だ。長いリーチから放たれる上段蹴りに、「空手界のプリンス」と称される端正な顔立ちで存在感は際立つ。今年、世界ランキング1位にもなった23歳は「夢の舞台でどう暴れるか。勝ちにこだわる空手を見せたい」と牙を研ぐ。

今年9月、日本武道館。東京五輪でも空手会場となるこの場所で行われたプレミアリーグ(PL)東京大会を制した西村は、表彰台の中央で来夏の青写真を描いていた。

西村はリーチの長い上段蹴りを武器に勝利を重ねてきた。

西村はリーチの長い上段蹴りを武器に勝利を重ねてきた。

決勝含めた5戦全てで無失点勝利。決勝では世界選手権を5度制したレジェンドで、西村も幼い頃から憧れてやまないアガイエフ(アゼルバイジャン)に0-0の末に旗判定勝ちした。「乱打戦でも、1-0の緊迫した場面でも勝ちを収めることができて自信を得た。東京五輪に向けて良いイメージがついた」。爽やかな口調の中で、わずかに言葉が熱を帯びる。

東京五輪での正式競技採用が決まった2016年から本格的に世界を転戦し、今年で4年目を迎えた。18年以降は出場した15の国際大会のうち、6大会で優勝。今年も3大会を制するなど安定した強さは日本勢の中でも群を抜き、75キロ級の五輪代表の席もほぼ射程圏にとらえている。

周囲が「華がある」と声をそろえる、しなやかでアクロバティックな動きの中でも、特に今の地位へと自らを押し上げた必殺技が上段蹴りだ。決まれば一挙3ポイントを得られる。男子組手の林晃日本代表監督によれば「スピードもあれば柔軟性もある。何より、ここで出せば決まるのではという感性が優れている」。遠くから放つセオリーに反し、西村は至近距離からでも180センチの体を回しながら相手の正面に足裏をぴたりと合わせていく。

「得意技で会場を盛り上げたい」

技の習得の原点は幼少期。世界王者だった父の指導のもとで3歳から空手を始めたが、「道場でしょっちゅう泣いていた。びびりで弱虫で、相手に近づくのが怖かった」。相手の攻撃をかわすために行き着いたのが蹴り技だ。「向こうが拳を握れないところでちょんちょん蹴るのが楽だった」

世界選手権5度優勝を誇るアガイエフ(左)には通算7勝1敗と圧倒している=共同

世界選手権5度優勝を誇るアガイエフ(左)には通算7勝1敗と圧倒している=共同

一方で、海外スターの戦いを見るのが大好きだった。アガイエフらがダイナミックな蹴りを仕掛ける映像を何度も回しては胸を高鳴らせ、「こんな蹴りをしたいと思った」と見よう見まねで動きを覚えた。突き主導の戦いが一般的な日本空手界で、西村の大胆な足技はいつしか大きな武器に。全国高校総体、全日本学生選手権とタイトルを総なめにして戦いの場を世界に移しても、磨いてきた蹴りは通用した。

海外のライバルたちは西村の必殺技の警戒を強める。手数を封じられた10月のPLモスクワ大会では初戦敗退し、世界ランキング1位の座からも陥落した。王者への道のりは決して安泰ではない。「強引に技を出して突破口を増やしてポイントを取らないと」。中段突きを磨くなど、新たな戦い方も模索する。

それでも「一生に一度しかないチャンス」という東京五輪で、自身の代名詞を披露する日を夢見てやまない。「願わくば、得意技で勝って会場を盛り上げたい」。静寂を切り裂くような一撃必殺の蹴りで、世界中をとりこにするつもりだ。

(堀部遥)

■代表、20年1月に一部内定
2018年7月から始まった空手の五輪代表選考レースは佳境に入った。来年4月6日時点での各階級の五輪ランキングで国内最上位につけた選手が代表に正式決定するが、全日本空手道連盟は来年1月のPLパリ大会の結果を受け、一部の内定選手を発表する。
 同大会後、獲得ポイントで国内2番手と2000点以上の差をつけた選手が対象で、西村や男子形の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)らが有力。13日時点で172.5点差で国内最上位を争う組手男子67キロ級などは最後までし烈な争いが続きそうだ。

GO TOKYOをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

五輪関連コラム

パラリンピック関連コラム

電子版トップスポーツトップ

GO TOKYO 一覧

フォローする
陸上日本選手権男子800メートルで優勝したクレイ・アーロン竜波共同

 陸上男子800メートルで6月の日本選手権を制したクレイ・アーロン竜波(神奈川・相洋高)が来春の卒業後、秋に米テキサス農工大に進学する。11月25日には東京五輪やその後の国際大会で活躍が期待される若手 …続き (12/5)

代表落ちがきっかけで平野は攻撃型に転じた

 卓球の東京五輪シングルス代表を巡る争いが最終局面を迎えている。残り1枠を巡り、女子は初出場を期す平野美宇(日本生命)が、石川佳純(全農)をわずかにリード。前回リオデジャネイロ五輪の選考では伊藤美誠( …続き (12/5)

コンゴ戦でシュートを決める田辺。日本はサイドシュートの決定力が命運を握る=共同共同

 ハンドボール女子の世界選手権第5日は4日、熊本県各地で1次リーグが行われ、試合のなかったD組の日本は5日のロシア戦に向けて休養に充てた。2勝1敗でD組3位につける日本は、残り2戦で1つ勝てば1次リー …続き (12/4)

ハイライト・スポーツ

[PR]