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有力ブランド、アマゾン離れも ナイキが供給打ち切り

ロイター

【シリコンバレー=白石武志、ニューヨーク=高橋そら】米ナイキは13日、米アマゾン・ドット・コムの直営サイトを通じた自社製品の販売を打ち切ると明らかにした。アマゾン上で模造品の流通が続くことに不満を募らせたというのがもっぱらの見方だ。アマゾンは米国で圧倒的な流通・物流基盤を築いたが、有力ブランドの間で同様の動きが広がると指摘する声もある。

ナイキはもともと外部の通販サイトの活用に消極的とされていた。一部のスニーカーや衣料品についてアマゾンへの試験的な供給に踏み切ったのは2017年。当時からアマゾンのマーケットプレイス(仮想商店街)には正規品と模造品が混じって流通しており、ナイキはアマゾンの直営サイトを通じた販売に乗り出すことでブランドの管理を強める狙いがあった。

ただ、2年間の試験サービスを通じて得られた成果は乏しかったようだ。ナイキは今回の決定について「個人に対するより直接的な関係を通じて、消費体験を向上させることに注力する戦略の一環だ」と説明する。アマゾンの直営サイトを通じた正規品の販売によっても、状況は改善しなかったとの思いが言外ににじむ。

米国のアマゾンの直営サイトが取り扱うナイキブランドの衣料品は13日時点で1000点超なのに対し、第三者による出品など直営以外を含めたアマゾン全体では2万点超に上る。中には一定数の模造品が含まれる可能性があり、一部の米メディアは今回のナイキの判断について、アマゾンの不十分な対応に失望した結果だと報じた。

ナイキは世界のスニーカー市場で3割近いシェアを持つ。世界的なブランド力を背景に自前サイトでの販売が着実に伸びているのも「脱アマゾン」を後押ししたようだ。この分野のノウハウの獲得に向け、10月には米ネット通販大手イーベイの元最高経営責任者(CEO)であるジョン・ドナホー氏を次期CEOに迎え入れる人事も発表している。

米国ではアマゾン以外にも在庫管理や発送などの業務を請け負う企業が増えている。アマゾンに頼らなくてもネット通販を全国に広げられる環境が整いつつあり、米ジェフリーズのアナリスト、ランダル・コニック氏は「今後、アマゾンから離脱する小売業は増えるだろう」と予想する。

アマゾンは模造品の摘発に人工知能(AI)を活用するほか、メーカーなどが直接、マーケットプレイスから模造品と疑われる商品を削除できる機能も提供している。18年には模造品対策に世界で400億円以上を投じた。ただ、出品者の審査には手間がかかるため、対策はいたちごっこが続いているもようだ。

アマゾンはナイキの決定についてコメントを避けたが、販売パートナーとの交渉に際しては幅広い商品を最低価格で提供することに努めているという。あくまで「顧客第一」を貫く構えだが、有力ブランドの離脱が続けば集客に打撃となる。取引先に対する強気の交渉姿勢は今後、修正を迫られる可能性もある。

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