旭化成、高付加価値品7割に 25年度の素材事業営業益

2019/11/14 13:52
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旭化成は14日に都内で開いたマテリアル事業の経営方針説明会で、リチウムイオン電池のセパレーター(絶縁材)や高機能樹脂など高付加価値品へのシフトを加速する方針を示した。植物由来の「セルロースナノファイバー(CNF)」など新素材にも進出。同事業の営業利益に占める高付加価値品の比率を、2025年度に75%と18年度の6割強から引き上げる。

旭化成は未来の車に使う素材を提案する(車内空間のコンセプトモデル)

マテリアル事業は旭化成の中核事業で、18年度の売上高の54%を占める。汎用の石油化学品なども手掛けるが、今後は「環境負荷の低減に貢献する素材に経営資源を投入していく」(マテリアル事業を統括する吉田浩副社長)。

25年度の高付加価値品の営業利益としては、18年度比で7割増の1350億円を目指す。

自動車分野では燃費削減につながるタイヤ向けの合成ゴムや車体を軽くする高機能樹脂の変性ポリフェニレンエーテル(PPE)の販売を強化する。「高付加価値品の生産でも、より低エネルギーで二酸化炭素(CO2)排出の少ない製法を開発していく」(吉田氏)という。

M&A(合併・買収)を通じた用途開拓も進める。18年に米自動車内装材大手のセージ・オートモーティブ・インテリアズを約1200億円で買収した。セージを通じて旭化成の繊維製品や合成皮革を売り込む。セージについては「旭化成との事業のシナジーを上げて25年度に売上高を1000億円超にする」(旭化成の工藤幸四郎常務執行役員)。

旭化成は自動車の軽量化につながるCNFの複合材料や、発泡させたポリアミド樹脂など新素材の開発を進めている。このほか同社所属の吉野彰名誉フェローの19年のノーベル化学賞受賞成果となったリチウムイオン電池関連ではセパレーターの増産投資を続ける。

旭化成は同日、ベトナムで自動車用エアバッグの生産を始めると発表した。従来はエアバッグ用の布地の販売にとどまっていたが、今回、縫製まで手掛ける設備を導入する。自社の素材の付加価値を高める施策の一環。20年3月に量産を開始し、当初は年250万個の生産体制を整備する。設備増強などを通じて数年内に年産能力を500万個に引き上げる方針だ。

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