温暖化、子どもの健康直撃 栄養不良や感染症拡大

2019/11/14 11:26
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地球温暖化が進むと感染症や食料減少に伴う栄養不良が拡大し、子どもの健康に深刻な影響が生じるとの報告書を英医学誌ランセットや欧米の大学などのチームが14日、発表した。これから生まれる世代は生涯にわたり、洪水など身体に危険を及ぼす自然災害の一層深刻なリスクにさらされるとも指摘。「来年始まるパリ協定の下で、各国は早急に対策を強化すべきだ」と訴えた。

インド北部で、大雨で冠水した道路を歩く少年。地球温暖化により豪雨や洪水の被害が増えると懸念されている(10月、AP)=共同

報告書は、温暖化が進むと小麦や大豆、米などの収量が減り、価格が上がると分析。最も強く影響を受けるのは乳幼児で、食べ物が入手しづらくなり栄養不良が拡大すると指摘した。気温上昇や降雨量の増加などでウイルスや細菌が広がりやすい環境になり、デング熱やコレラといった感染症の被害を受けるとも強調した。

化石燃料の燃焼に伴う大気汚染も健康面の大きな脅威になる。報告書は、2016年に微小粒子状物質「PM2.5」の影響で世界で290万人が死亡し、このうち44万人は石炭の使用が原因と推定。化石燃料の利用が続けば大気汚染がひどくなり、呼吸器などが発達段階にある子どもの被害が大きくなるとした。ぜんそくの悪化や心疾患の増加が見込まれる。

さらに温暖化で洪水や干ばつ、熱波、山火事が深刻になることに触れ、特に熱波は子どもに加え65歳以上の高齢者に脅威になるとの見方を示した。18年は日本でも延べ3200万人の高齢者が熱波にさらされたという。

パリ協定は、温暖化の深刻な被害を避けるため、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指す。各国の今の取り組みでは不十分で、このままでは上昇幅は3度を超えるとされている。

〔共同〕

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