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業績ニュース

東芝、再建へ基礎固め 中期計画1年目の通信簿

エレクトロニクス
2019/11/13 22:51
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東芝の再建がそろり進み始めた。13日発表した2019年4~9月期連結決算で営業利益は3期ぶりの水準を回復した。18年11月の中期経営計画発表から1年。車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)の通信簿は、基礎固めで合格点が与えられそう。ただ、足元の株価はさえない。市場の関心はデジタル技術を活用した成長戦略の実現可能性に向かい始めている。

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「この1年、落第点を取らないように一生懸命やってきた」。車谷CEOは同日の記者会見で1年間の成果についてこう評価した。19年4~9月期の営業利益は前年同期比7.5倍の520億円で、「(経営危機のあおりで18年に売却した)半導体メモリーの利益を除いたベースで、ここ10年で最高水準」と解説する。

成果を上げたのは「1万5200件の地道なカイゼン活動」だ。インフラやエネルギーなど主要部門で調達や営業の改革を積み重ねた。車谷CEOは「事業の基礎的な基盤が整った」と話す。

連結営業利益で前期比4倍の1400億円とする20年3月期通期計画に関しても、車谷CEOは「(4~9月期は会社計画を上回っており)1400億円の達成とV字回復への手応えを感じている」と自信を示した。

この間、企業統治(コーポレートガバナンス)の形も相次いで整えてきた。12人の取締役のうち10人を社外取締役が占め、そのうち4人が外国人だ。社外取締役が普段利用しているスマートフォンやパソコンで重要書類を見られるように、情報共有アプリを導入した。15年に発覚した不適切会計では社外取締役が有効に機能していなかったことが指摘され、その反省を生かす狙いだ。

少数株主との利益相反が起きやすいとして投資家が厳しい視線を向ける親子上場の解消にも着手する。13日、半導体製造装置のニューフレアテクノロジーや発電設備の東芝プラントシステム、船舶や産業向けの電機システムを手掛ける西芝電機の3社を完全子会社化すると正式発表した。総額2000億円を投じてTOB(株式公開買い付け)を実施し、非上場化する。

株主還元にも着手した。17年に実施した6千億円の増資で希薄化した株式への対応として、今月7日まで1年をかけて7千億円の自社株買いを実施。19年3月期に4期ぶりに復配したほか、19年10月には5年ぶりの中間配当の実施も決めた。株式市場からは「余剰資金の還元を求める投資家の声にきちんと対応した」(国内証券)と評価する声が聞かれる。

車谷CEOは18年春の就任後、足元の業績の改善やガバナンス改革、株主還元の点では一定の成果を上げたが、課題も残っている。

評価が分かれそうなのが、不採算事業など負の遺産の処理だ。18年10月にパソコン事業をシャープに譲渡したほか、損失のリスクがくすぶっていた米国の液化天然ガス(LNG)事業を仏エネルギー大手トタルに売却した。

一方で、グループに残した半導体部門の大規模集積回路(LSI)事業は中国での需要低迷や市況の悪化を受けて営業赤字に陥っている。来期から営業利益率5%の事業撤退を設け、車載向けなど一部を除いて撤退する方針を明らかにした。

多様な施策を進めるが、株価はさえない。13日の終値は3770円で、昨年11月の中期計画の発表直後のピーク(3980円)から5%安い。この間7%程度上昇している日経平均に比べても低迷している。

投資家が懸念しているのは「東芝が今後、何で稼ぐのか見えない」(外資系証券アナリスト)ことだ。

中計の最終年度である22年3月期の営業利益目標2400億円を達成するには今期見通しから1000億円積み上げる必要がある。同日、中規模なM&A(合併・買収)を再開する方針も示したが、達成に向けては新たな成長のエンジンとなる事業が欠かせない。

今後の成長戦略として掲げているのは、インフラやエネルギーなどの既存事業とデジタル技術の融合だ。あらゆるモノがネットにつながるIoTや人工知能(AI)を軸として、関連サービスで継続的に稼ぐ事業モデルを目指す。

18年7月に日本IBMの技術理事を務めた山本宏氏、同年9月にはシーメンス日本法人の専務執行役員だった島田太郎氏といったIoTのプロをグループに招くなど、デジタル戦略の体制作りを進めてきた。

ただ、IoTは日立製作所なども参入して競争が激しい。デジタル戦略が成長を本格的にけん引するまでには時間がかかりそう。車谷CEOの次の「通信簿」では、数字を伴って稼いだ実績を示すことが求められる。(広井洋一郎、野口和弘)

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