米ソーファイ、ネット経由の学生ローン借り換えで急成長

金融最前線
2019/11/13 19:00
保存
共有
印刷
その他

米ロサンゼルス郊外で2020年の完成に向け建設が進む屋外競技場。28年の五輪開会式の会場になる予定もある新たなランドマークの命名権を9月に獲得したのが、インターネット経由での学生ローン借り換えサービスで急成長するユニコーン(企業価値10億ドル超の未上場企業)、米ソーシャル・ファイナンス(ソーファイ)だ。

ソーファイが命名権を取得したロサンゼルス郊外の屋外競技場の完成予想図

創業は2011年。米スタンフォード大学の学生だったマイク・キャグニー前最高経営責任者(CEO)らが同大学の約40人の卒業生から200万ドル(約2億1000万円)の資金を集め、100人近くの学生に平均2万ドルの資金を貸し付けたのが始まりだ。

ネット経由で融資を仲介するソーシャルレンディングの新興企業は米国でも多いが、ソーファイはその中でも「HENRYs(High Earners, Not Rich Yet)」と呼ばれる高学歴・高収入の若年層に照準を絞った。会員向けに就職や転職のためのキャリア支援もしており、借り手の返済能力を高めることで平均的な学生ローンに比べ金利を低く抑えている。

15年にソフトバンクグループが出資するなど、有力なフィンテック銘柄として知られる。アンソニー・ノトCEOは命名権獲得を「全国レベルに会員を広げる絶好の機会になる」と息巻く。

業績は開示していないが、19年9月時点でサービスの会員数は80万人に上るという。19年5月にカタール投資庁などから約5億ドルを調達した際には、事前の企業価値として43億ドルの評価を受けた。

ただ、スタートアップ特有のガバナンス(企業統治)の危うさを指摘する声もある。17年には幹部社員によるセクハラ疑惑などを理由に、キャグニー前CEOが退任に追い込まれた。

米国の「ミレニアル世代」(1981~96年生まれ)は他の世代よりも多額の学生ローンを抱える一方、既存の銀行サービスに不満を抱えているとされる。ソーファイは学生ローンの借り換えサービスを足がかりに、資産運用や住宅ローンなどにも事業を拡大中。企業文化の規律を高め、会員のニーズに幅広く応えることができれば、銀行に取って代わる存在となる可能性もある。(シリコンバレー=白石武志)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]