九州沖縄の地銀21行、最終益26%減 4~9月単体

地域金融
2019/11/12 20:23
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九州・沖縄の地方銀行の2019年4~9月期決算が12日出そろった。単体では全21行の7割にあたる15行が最終減益となった。前の期の17行からは改善したものの、純利益の合算は前年同期比3割弱減少した。日銀のマイナス金利政策の長期化で、貸出金利回りなどは低迷が続く。企業倒産に備えた貸倒引当金などの「信用コスト」は2倍に膨らみ、業績に影を落とす。

「貸出金を着実に増やし、利回りの低下分を上回った。何とか相応の決算にすることができた」。九州フィナンシャルグループ(FG)の笠原慶久社長は12日、熊本市で開いた決算会見でこう語った。

21行合算で純利益は26%減の588億円、事業会社の売上高にあたる経常収益は4%減の4184億円。本業のもうけを示す実質業務純益は肥後銀行や佐賀銀行筑邦銀行など、経費削減のほか外国債や不動産投資信託(REIT)の売却で上向いた地銀があり、2%増の992億円だった。一方でおよそ半数の11行で悪化した。

銀行の収益源は貸出金利息のほか株式の配当金や国債の利息、投信の分配金、手数料収入などがある。大分銀行の後藤富一郎頭取は「マイナス金利政策は貸出金利だけでなく、手数料など全てに影響を与えている」と指摘する。

貸出金利回りは21行中19行で下がった。他行との競争もあり、平均で0.06ポイント低下の1.37%となった。南日本銀行の斎藤真一頭取は「足元では下げ止まってきたが、金利が高いものが償還されれば今の水準で借り換えるので(全体では)下がるのは続く」と話す。

国債は過去に購入した高い利回りのものが満期を迎えている。ある地銀幹部は「今は10年債ですらマイナスに沈んでおり、再投資先が見当たらない」と悩む。

手数料収入を示す役務取引等利益は21行合算で12%減った。一部で保険販売が増えたものの、顧客本位の営業を求める金融庁の方針や、株式相場の不透明感から投信販売は伸び悩む。ふくおかフィナンシャルグループ(FG)の柴戸隆成会長兼社長は「役務収入を増やしたいのはどこも一緒。ただ無理をするとひずみが出る」と慎重な姿勢だ。

経常収益が落ち込むなかで、信用コストの増加も業績悪化の原因になった。大半の銀行は「あくまで個別企業要因。景気変動の予兆ではないだろう」と分析するが、21行合算は2倍の95億円となった。

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