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金、3カ月ぶり安値圏、米景況感の改善・米中摩擦の後退観測で マネー流出

2019/11/12 19:45
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金の国際価格が3カ月ぶりの安値まで下落している。米国の景況感の改善に加え、足元で米中通商協議が進むことへの期待からマネーが株式などのリスク資産に向かい金から流出した。これまで相場の上昇圧力になっていた米追加利下げ観測も打ち止め感が強い。相場が11月に入り調整色を強め「安全資産の買い」が一服し、手放す動きが広がっている。

金の国際指標であるニューヨーク先物は11日に一時1トロイオンス1448ドルと3カ月ぶりの安値をつけた。この1週間の下落率は4%で9月上旬につけた6年半ぶりの高値から100ドル超安い水準だ。ダウ工業株30種平均は連日最高値を更新するなど投資家はリスク志向を強め、反対に金は4営業日続落している。

この2カ月、金相場が推移してきた1480~1520ドルのレンジを下抜けるきっかけとなったのが米中協議が進むことへの期待だ。7日に中国商務省は追加関税の段階的な撤廃で合意したと発表。一報を受け金価格は同日に26ドル(2%)安と大きく下落した。8日にトランプ米大統領が合意の事実を否定したが、米中両国が12月に向け歩み寄りを見せるとの観測が市場で強まった。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると投機筋による建玉の合計は直近5日時点で28万枚の買い越しと約3年ぶりの高水準まで積み上がっていた。利益を確定するタイミングを狙っていた投機筋にとって「米中合意」の一報は格好の売り時と映った。金上場投資信託(ETF)の最大銘柄である「SPDRゴールド・シェア」からも8日に13トン減った。1日の減少幅としては3年ぶりの高水準だ。

短期的な動きに加え、11月に入り米国では主要な経済指標に景気底打ちの兆しが見えたことも金から資金が流出する下地になった。10月の米製造業景況感指数は8カ月ぶりに上昇。3年ぶりの低水準に落ち込んだ非製造業も2カ月ぶりに上昇した。「先行きの不透明感が一時的に後退し債券売り・金売りの圧力が強まった」(IG証券の石川順一氏)

年初から金の最大の買い材料だった米利下げ観測も後退している。米連邦準備理事会(FRB)は3会合連続となる利下げを実施した10月に当面の利下げ休止を示唆した。市場では、10月以降も米中摩擦や経済指標の動向次第では一段の利下げの可能性を意識する向きがあった。

米金利先物の市場動向から金融政策を予想する「フェドウオッチ」では年内の利下げ確率は足元でわずか5%程度まで縮小している。「仮に12月に利下げがなければ7月の利下げ時と同水準の1400ドルが下値になる」と香港の金融機関、永豊金融グループのマーク・トゥー氏は指摘する。米中協議の進展や経済指標の改善などで、景気後退への警戒感が一段と弱まれば金相場が下値を探る展開が続く可能性もある。

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