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精密大手7社、4社下方修正 今期最終、カメラ・事務機が失速

精密大手7社の2019年7~9月期の連結決算が12日、出そろった。需要減少が続くデジタルカメラに加えて事務機の失速が響き、4社が19年度通期の純利益予想を下方修正した。景気悪化の逆風下で構造改革の進捗や新規事業の成長で業績の差が開いた。デジカメと事務機に頼らない収益構造の構築が急務になっている。

「事業によって濃淡はあるが、全体の業績は計画を上回って進捗している」。富士フイルムホールディングスの助野健児社長は12日の決算記者会見でこう話した。同日、20年3月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比17%増の1620億円になりそうだと発表。従来予想(12%増の1550億円)から70億円引き上げ、2期ぶりの最高益を見込む。

富士ゼロックスの完全子会社化で持ち分利益が増える効果のほか、事業そのものも好調だ。同日発表した19年4~9月期の連結決算は営業利益が10%増の920億円だった。バイオ医薬品の製造受託などが伸び、医療事業の営業利益は4.6倍の111億円だった。純利益は前年同期の有価証券評価益が大きかった反動で611億円と7%減った。

富士フイルム以外で業績が底堅いのは、医療機器を主力とするオリンパスと、18年3月期から人員削減など構造改革を進めてきたリコーだ。いずれも通期の業績見通しを据え置いた。

他の精密各社は業績予想の下方修正が相次いでいる。デジカメ市場の縮小でカメラ事業の割合が高い企業の利益が一段と落ち込む。ニコンは7日、20年3月期の純利益予想を前期比74%減の170億円に引き下げた。カメラ映像機器工業会によるとデジカメの世界出荷台数は19年1~9月に1126万台と前年同期比23%減った。

キヤノンはカメラに加えて事務機の市況悪化が逆風となる。10月に今期3回目となる通期業績の下方修正を発表し、19年12月期の純利益は前期比45%減の1400億円に落ち込む。米中貿易摩擦を背景に中国や欧州で景気が悪化し、企業の投資意欲が下がっている。

コニカミノルタも20年3月期の純利益を前期比82%減の75億円に下方修正。セイコーエプソンも20年3月期の純利益を前期比50%減の270億円に引き下げた。

厳しい業績を受け、各社は人員削減や組織再編といった構造改革に取り組む。キヤノンは構造改革費用として今期300億円、ニコンは50億円、コニカミノルタも86億円を投じる計画だ。

各社が主力としてきたデジカメや事務機は先行きが厳しく、コスト削減と同時に次の稼ぎ頭を育てる必要がある。先行する富士フイルムは今期、医療事業の売上高が今期初めて5000億円を超す見通し。キヤノンも医療機器など新規事業の売上高が全体の25%を超す計画だ。コニカミノルタやニコンも新規事業に手を付けているが収益化は遅れている。

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