大阪府茨木市消防本部は12日、血圧計で後輩の首を強く圧迫したり消防車に逆さづりにしたりしたとして、33~47歳の男性救急救命士3人を懲戒免職処分にした。うち1人は被害の口止めも図っていた。同本部は記者会見で「いじめ以上だ」との認識を示し、監督責任を問い、泉頼明消防長ら4人も減給10分の1(3カ月)などの懲戒処分とした。会見では泉消防長らが頭を下げて謝罪。全署員への研修などを通じて再発防止を図るとした。
同本部によると、5月17日午前0時35分ごろ、白川分署に所属していた消防士長(34)と消防副士長(33)が、出動の帰りに給油所に立ち寄った際、救急車内で自動血圧計の帯状器具を後輩の20代男性の首に無理やり巻き付け、作動させて内出血を顔や目に生じさせた。
その日のうちに消防士長から申告を受けた同分署の消防司令補(47)は関係者に口外しないよう求め、上司にも報告しなかった。
消防司令補は4月にも白川分署の車庫内で、被害男性の背中や下半身を30回以上蹴った。さらに別の20代男性の後輩をロープで消防車に逆さづりにしたり、体毛を燃やそうとしてライターの火に可燃性の殺虫スプレーを吹き掛けて大きな炎を生じさせたりしていた。
暴行を受けた2人に目立ったけがはなかったが、血圧計を巻き付けられた男性が別の先輩職員に相談したのを機に、9月から消防本部が聞き取りを開始した。
消防司令補は「コミュニケーションの一環」と事実を大筋で認め、口止めの理由を「消防士長らの将来を考えた」と説明。消防士長は「首で血圧を測れるか試した」と弁解したという。
茨木市は、福岡洋一市長ら2人にも執行機関としての責任があるとして減給10分の1(1カ月)にした。〔共同〕