福島で銀行員・自治体職員らが交流会 地域課題を本音で議論

北海道・東北
2019/11/12 18:17
保存
共有
印刷
その他

金融機関の職員や公務員らが地域の課題について議論する交流会「ちいきん会」が9日、福島市で開かれた。同会は金融庁の有志らがボランティアで運営。懇親会の飲食も参加者が自ら持参する「手弁当スタイル」だ。それでも東北や関東、四国などの地方銀行や信用金庫、自治体関係者ら約380人が集まった。

交流会のグループ討論で発言する金融庁の遠藤俊英長官(9日、福島市)

交流会のグループ討論で発言する金融庁の遠藤俊英長官(9日、福島市)

交流会はこれまで東京で2回開催し、いずれも200人程度だった。初めての地方開催となる今回は2倍近く増えた。

冒頭に主催者から呼びかけられたのが「本音トーク」だ。交流会は肩書を外して自由に議論する場であることを強調。そのために私服で参加してもらっている。パネルディスカッションでは金融庁の遠藤俊英長官や東邦銀行の北村清士頭取、百十四銀行の行員で映画監督の香西志帆氏らが登場。金融機関が地域で果たす役割について話し合った。

「盆栽たいそう」「米ハリウッドで賞をもらった」……。香西さんが語る「異世界」の言葉に金融関係者らで埋まった会場が静まりかえった。銀行員でありながら自治体と組んでPR動画を作成し、世界に向けて発信している。「仕事だけじゃなく、好きなことを磨いて肩書をいくつも持つことが大事だ」と訴えた。

これに遠藤長官が応じた。「個人が自由な発想でいろいろな仕事に取り組める環境を整えることが、組織の生産性を向上させる」。そうした組織づくりを金融庁でも進めていると説明した。地域経済の活性化には金融機関が果たす役割は大きいとしたうえで、行政の役割も変わったと認めた。

「従来のように上から目線でただ強い監督をするだけでは金融機関の背中を押せない」。企業の立場で課題を見つけ、解決するために伴走する金融機関を応援する――。ただ地域において何をすればいいかは「経営トップをはじめ、金融機関自身が気づいてほしい」と語った。そのための助言は惜しまないという。

ディスカッションの後は事業承継や人材育成など13個のテーマごとにグループで議論を深めていった。20~30人がイスで円陣をつくると、発言を求めて次々と手が挙がった。「銀行が顧客に本気のダメ出しをできる関係が築けているのか」「内部の研修だけでは人材は育たない」。発言者は前のめりになり、聞く側も身を乗り出していた。

各地の自治体にとって地域活性化は切実な問題だ。金融機関も低金利や人口減で収益力の低下がとまらない。どうやったら地域がもっと良くなるのか。まずは本音で意見をぶつけ合わなければ何も始まらない。

(仙台支局 古山和弘)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]