東北電力女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機(82万5千キロワット)について、石巻市の住民団体「女川原発の避難計画を考える会」は12日、再稼働に向けた地元同意の差し止めを宮城県と石巻市に求める仮処分を仙台地裁に申し立てた。これまで原発の安全対策を争点とした仮処分申請はあったが、避難計画の実効性を問う全国初の申し立てとなった。
東北電は女川2号機を巡る原子力規制委員会との議論をほぼ終え、再稼働は目前とされている。同会の原伸雄代表は「再稼働が近づく中、新しい方策で差し止めを申し立てた」と強調。村井嘉浩宮城県知事は「石巻市と協議しながら適切に対応する」とコメントした。
同会は2018年、石巻市の避難計画で示された経路に基づき避難訓練を実施した結果、実際の重大事故時には交通渋滞が発生したり、バスが不足したりするなどの課題が挙がったという。
女川原発の立地自治体である県と石巻市は、東北電力と原発再稼働に向けた「事前了解」を含む安全協定を結んでおり、再稼働には立地自治体の同意が必要となる。