ボリビア大統領、メキシコ亡命へ 治安維持へ軍出動

2019/11/12 17:58 (2019/11/12 22:46更新)
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【ラパス=外山尚之】南米ボリビアのモラレス大統領は11日、メキシコへの亡命に向け出国した。同氏は軍の造反を受けて10日に辞任を表明したばかり。約14年にわたる長期政権が突如終了したことで各地で暴動が発生しており、軍は治安維持行動に乗り出した。軍や警察が主導する一連の動きをクーデターと批判する声も上がっており、混乱が長引く可能性がある。

亡命のため搭乗した機内でメキシコ国旗を掲げるボリビアのモラレス大統領=AP

モラレス氏は11日夜、亡命受け入れを表明したメキシコの軍用機に搭乗しボリビアを出国した。モラレス氏は搭乗前に「兄弟姉妹たちよ、私はメキシコへ出発する」とツイッターに投稿した。「私はもっと強く、エネルギッシュになってすぐに帰ってくる」と支持者に呼びかけた。

同氏は辞任表明直後、亡命を否定していた。11日になってから「クーデターの参加者が私や姉妹の家を襲撃し、住居に火をつけ、閣僚とその子供たちに死の脅迫を行っている」とツイッターで表明し、自身と家族に危険が迫っていると主張していた。メキシコ政府によると、モラレス氏が電話で亡命を申請し、これを受け入れた。メキシコはモラレス氏と同じ左派が政権を率いている。

ボリビアでは権力の空白を受け、軍や警察の存在感が増している。軍のカリマン大将は11日、緊急記者会見を開き、全国各都市で軍と警察が治安維持活動を始めると発表した。野党支持者が歓迎する一方、与党支持者は反発しており、国論は二分されている。

政府機能が集中する首都ラパス周辺では暴動や略奪行為が激しくなっており、11日夕には与党支持者が首都郊外でモラレス氏に造反した警察への抗議運動を展開、火炎瓶や鉄パイプなどの凶器を持った集団が「我々は戦う」と叫びながら、市中心部へと向かっていた。商都サンタクルスでは野党陣営を支持する集団が道路封鎖を行っている。

メキシコやベネズエラ、キューバなどの中南米の左派政権は、モラレス氏の辞任について、命令に背いた軍や警察による「クーデター」との批判を強めている。これに対し、トランプ米大統領は声明で「モラレス氏の辞任は、西半球における民主主義にとって重要だ」とする声明を発表した。米州機構(OAS)は12日に緊急会合を開くと発表した。

モラレス氏の後任が読めないことが混乱に拍車を掛けている。同氏の辞任後、副大統領や国会の上下両院の議長など、憲法が定める継承順位上位者が相次ぎ辞職を表明した。野党出身のアニェス上院副議長は自身が暫定大統領に就任する権利があると主張し、早期の大統領選実施を呼びかける。12日に与野党が議会に集まり、暫定大統領の選出手続きを始めるとの報道もある。

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