はやぶさ2、小惑星を13日出発 2020年末に地球帰還へ

科学&新技術
2019/11/12 17:14
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小惑星「りゅうぐう」に到着した探査機「はやぶさ2」のイメージ=池下章裕氏・JAXA提供

小惑星「りゅうぐう」に到着した探査機「はやぶさ2」のイメージ=池下章裕氏・JAXA提供

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日、探査機「はやぶさ2」が13日に小惑星「りゅうぐう」を出発し、地球に向かうと発表した。2020年末に地球に帰還し、小惑星の石や砂が入ったカプセルを地上に届ける見通しだ。

約1年半にわたる観測で、地球から3億キロメートル離れた岩だらけの小惑星に2度着陸し、日本の技術力を示した。地中に眠る石や砂も世界で初めて回収できたとみられる。太陽系の成り立ちや地球の生命の起源に迫るための貴重な手がかりになると期待される。

責任者を務めるJAXAの津田雄一プロジェクトマネージャは12日の記者会見で「文句なしの成果が得られ、メンバー一同満足している」と語った。

はやぶさ2は10年に小惑星「イトカワ」の微粒子を地球に持ち帰った初代はやぶさの後継機だ。14年12月に種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられ、18年6月にりゅうぐう周辺に到着した。地球帰還までの総事業費は約289億円を見込む。

着陸は19年2月と7月に成功した。2度目の着陸では、4月に金属製の弾丸を撃ち込んでつくったクレーター(くぼ地)の近くに降り、地中にあった砂などを採取したとみられている。

地中は地表に比べて太陽光や宇宙線による風化の影響を受けにくく、「新鮮」な状態だ。太陽系が誕生した46億年前の痕跡を残すとされる。回収した石や砂に混ざる有機物や水分と地球の生物の間に共通の特徴が見つかれば「太古の地球に衝突した小惑星が生命の材料になる物質を届けた」との仮説を検証できる。

石や砂が入ったカプセルは地球近くで探査機から切り離し、初代はやぶさと同じくオーストラリア南部の砂漠に投下させる計画だ。カプセルは大気圏に秒速12キロで突入、高度約10キロでパラシュートを開いて速度を緩め着地する。カプセルの表面は最高でセ氏3000度に達するが、内部は50度以下に保たれる。

JAXAは相模原キャンパスに、地球の物質と混ざらないようにカプセルを開けて分析を始めるための専用の装置を準備した。日本や米国など国内外の研究者が分析に協力する予定だ。

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