台風1カ月、犠牲者悼み黙とう「前と同じ町に戻って」

2019/11/12 17:08
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台風19号の影響で10人が亡くなった宮城県丸森町などでは、上陸から1カ月となった12日、住民らが正午に合わせて追悼の黙とうをした。校庭が災害ごみの集積場になり、丸森町内の別の小学校に「間借り」する金山小の児童らも教室で祈りをささげた。

間借りして授業を受けている丸森小の教室で黙とうする金山小の児童(12日正午、宮城県丸森町)=共同

丸森町の各所に設置されたスピーカーからサイレンが鳴り響く中、金山小の教室でも児童が机の前に立ち、真剣な表情で目をつむった。6年の草野光来さん(12)は「自分がいた小学校がごみ置き場になって、ちゃんと元の小学校に戻れるのかな。前と同じような丸森町に戻ってほしいという気持ちで祈りました」。

丸森町の小斎まちづくりセンターに避難する郡司勝夫さん(94)も、妻の孝子さん(87)と目を閉じ、「居心地が良い自宅に早く帰りたい。被災する経験はこれで最後にしてほしい」と語った。

丸森町の役場には朝から多くの住民が訪れ、仮設住宅への入居や農作物の被害について相談。自宅が全壊した主婦(67)は「当初は『もう無理だ』と思ったが、親戚や知人に支えられてなんとか1カ月たった。一歩ずつできることを進めていくしかない」と話した。

丸森町の小斎地区では、金づちを手にした大工の星忠雄さん(66)が浸水した自宅の床をはがしていた。「1カ月はあっという間だった。毎日、片付けに追われて夜は避難所に戻る生活で疲れた」とこぼした。

丸森町では被災した自宅に戻り、生活を続ける在宅被災者が推計3185人で、全町民の2割強に上る。保科郷雄町長は記者会見し「まだまだ先が見えない状況だが、関係者と力を合わせて復旧復興に向け頑張っていく」と語った。13日に応急仮設住宅の建設を始めることも明らかにした。

長野県佐久市役所でも館内放送が流れ、職員や市民が黙とう。同市の清水和博さん(70)は「避難所生活をしている方が一刻も早く元の生活に戻ってほしい」と願いを込めた。市内は道路の冠水や崩落が相次ぎ、車で外に出た男性2人が死亡。うち1人の遺体が見つかった千曲川の中州には、花や果物が供えられていた。〔共同〕

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