中国、香港警察の実弾発砲を支持 軍介入も再び示唆

2019/11/12 15:33
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12日、政府庁舎付近を警備する香港警察=AP

12日、政府庁舎付近を警備する香港警察=AP

【北京=高橋哲史】中国共産党が香港政府に対し、さらなる強硬策を使ってでも過激な抗議活動を取り締まるよう迫っている。官製メディアは12日、香港の警察官による実弾の発砲を一斉に支持した。軍や武装警察部隊(武警)の介入を示唆する報道も再び出始めており、情勢は緊迫している。

党で治安・司法部門を統括する中央政法委員会は、公式のSNS(交流サイト)に「香港の暴徒が警察を襲い、拳銃を奪おうとしたときに発砲しなければ、拳銃は何のためにあるのか」とする論評を掲載した。訓練を受けた警察官が市民を守るために同様の措置を取るのは「国際標準」だとして、香港警察の実弾使用を正当化した。

党機関紙、人民日報系の環球時報は12日の社説で「香港警察が緊急事態の下で暴徒に発砲したことを断固として支持する」と表明した。「暴徒」が香港の親中派を襲った事件を取り上げ「彼らはもはや(過激派組織の)イスラム国(IS)のようなテロリストと変わりない」と断じた。

社説は香港警察にさらなる強硬手段でデモ隊を押さえ込むよう求めたうえで、「あなたたちの背後には国家の武警や(人民解放軍の)香港駐留部隊が控えており、必要に応じて直接増援する」と指摘した。香港警察だけで事態を収拾できなくなれば、中国政府は武警や軍の投入をためらわないとの姿勢をにじませた。

香港に隣接する広東省深圳には香港の抗議活動が激しくなった夏以降、武警の部隊が集結している。中国メディアは武警の訓練の様子を伝えるなどして、デモ隊を威嚇してきたが、9月の半ば以降はこうした報道を控えていた。

ここにきて再び軍や武警の介入を示唆し始めたのは、10月末に開いた党の重要会議である第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)の決定と無関係ではないだろう。

決定は香港人による香港の統治を意味する「港人治港」について、従来はなかった「愛国者を主体とする」という条件を加えた。香港人を「愛国者」とそれ以外に分け、過激な抗議活動を続ける「愛国的でない」人たちを徹底的に排除する姿勢を鮮明にしたといえる。

抗議活動が一段と過激化するなかで、中国メディアが若者らを「テロリスト」と位置づけ、今後も強硬手段を使った取り締まりを正当化する可能性は高い。暴力の連鎖に歯止めがかかる兆しは見えない。

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