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中国ホテル大手、独名門チェーンを約860億円で買収

【フランクフルト=深尾幸生】中国ホテル大手の華住酒店集団が、ドイツの名門高級ホテル「シュタイゲンベルガー」などを運営する独企業を買収することになった。このほど両社が合意した。買収額は7億1990万ユーロ(約860億円)。中国企業によるドイツでの投資は独政府の警戒もあり、最近は落ち込んでいた。ドイツ経済の減速感が増すなかで、両国が再び接近する兆しが出ているとの見方もある。

シュタイゲンベルガーホテルは89年の歴史を持つ=同社提供

具体的には、華住酒店がシンガポールの子会社を通じ、シュタイゲンベルガーやビジネスホテル「インターシティーホテル」などを傘下に持つ独ドイチェホスピタリティーの全株式を取得する。

華住酒店は2005年の創業で、米ナスダック市場に上場している。世界400の都市で5千以上のホテルを運営する。同社によると世界9位だという。一方のドイチェホスピタリティーは、約89年の歴史を持つシュタイゲンベルガーをはじめ欧州を中心に、118のホテルを運営する。

華住酒店は格安ホテルチェーンから出発し、現在は中価格帯から高級ホテルへ拡大している。今回の買収を通じ、高級ホテル分野を強化する狙いだ。ドイチェホスピタリティーは、華住酒店の傘下に入り、24年までにアフリカや中東を含め250カ所に拡大する従来の戦略を進める。

華住酒店による買収は、冷え込んでいた中国企業による対独投資の久しぶりの大型案件となった。英大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)によると、19年1~6月の中国企業によるドイツ企業の買収などの投資は5億ドル(約550億円)と、前年同期の約20分の1にまで落ち込んだ。

ドイツ政府は、欧州外の企業による独企業の買収や出資に関して規制を強化している。18年には航空宇宙分野などに特化した精密機械メーカーの買収に政府の横やりが入り、中国企業が手を引くなど影響が表面化した。

そうした中でドイツのメルケル首相は9月に訪中し、習近平(シー・ジンピン)国家主席らと会談した。香港問題での批判は抑え、投資促進を求めた。10月には次世代通信規格「5G」の安全基準案で中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品採用を事実上容認した。

4日には、独物流大手DHLが中国とドイツを結ぶ鉄道輸送の所要時間を約4割短縮する新サービスを発表した。西安からハンブルクまでの9400キロメートルを10~12日で結ぶ。中国の広域経済圏構想「一帯一路」を商機とみた動きだ。機械や自動車のほか、5G関連機器などの輸送を想定する。

ドイツは中国と再び接近し、景気減速が懸念される国内経済を立て直そうとしているとみられる。ただ、米国と一線を画す動きは国内外からの反発も予想される。

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