送風ファン付き白衣を拡販 食品工場衛生の認証対応
広島のアタックベース

コラム(経済・金融)
中国・四国
2019/11/11 20:00
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作業服メーカーのアタックベース(広島県福山市)は食品工場向けに開発した電動ファン付き白衣を拡販する。服の中に風を送り込むことで工場内が蒸し暑くても涼しさを保つ。体毛などが落ちない工夫も施すなど、2020年6月から食品事業者に義務化される国際基準「危険度分析による衛生管理(HACCP)」にも対応。展示会や直営店などを通じて売り込みを強化する。

同社が開発したのが「白衣空調風神服」。背中のポケットに小型の電動ファンを2つ備えている。最大で毎秒約30リットルの外気が取り込まれ、汗を瞬時に蒸発させることで涼しさを保つ。白衣とファン、電池のセットで価格は2万円程度。6月下旬からこれまでに800点を販売してきた。

年間を通して暑い操業空間がある製パン工場やしょうゆ工場といった企業の利用を想定している。熱中症対策を含めた職場環境の改善につなげてもらうほか、衛生管理のニーズも取り込む。

HACCPの義務化は食品製造や加工、販売などに関わる原則すべての事業者が対象になる。同基準では原材料の仕入れから出荷までの製造工程を一覧図にする、各工程での異物混入などのリスクを洗い出し対策を講じるといった項目が求められている。

同社の白衣は密閉性が高く、異物混入のリスクを軽減できる。体毛などの異物が食品の製造、加工ラインに飛散しないように裾周りに体毛落下防止ネットをつけたり、袖口を二重構造にしたりしている。縫い目は特殊な加工でほつれない仕立てにした。

農林水産省によると、HACCPを導入している国内食品メーカーは6月末時点で約4割にとどまり、特に中小企業での遅れが目立つ。清水重保専務は「食の安全に対する意識は地方の中小企業でも高まっている。ファン付き白衣をHACCP認証の手掛かりにしてもらえれば」と話す。

猛暑対策につながる製品やサービスを紹介する「猛暑対策展」など展示会への出展も増やすことなどを通じて、23年2月期までに年間1万点販売する商品に育てる。

ただ、食品工場などでは年間を通して蒸し暑い作業環境を持つラインは限られており、1社当たりの販売数は少ないのが難点だ。全国に構える直営店も足がかりにしつつ、エリアごとに面で捉えた営業を展開できるかが肝になりそうだ。

アタックベースは1981年の創業で、19年2月期の売上高は38億円。全国に17の直営店を構えており、ホームセンターや量販店などにも商品をそろえる。

(田口翔一朗)

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