迷子の親子確認、初めてテレビ電話で(古今東西万博考)
1970年・大阪 迷い子センター

関西タイムライン
コラム(地域)
2019/11/12 7:00
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迷子の不安を和らげようと、センターには玩具やお菓子が置いてあった

迷子の不安を和らげようと、センターには玩具やお菓子が置いてあった

6421万人が訪れた1970年の大阪万博。保護者とはぐれてしまった迷子も多かった。主催者の調べでは約4万8000人(14歳以下)に上った。どのようにして保護者と再会したのだろうか。

迷子が見つかると、会場内に約20カ所あった案内所に連れていかれた。会場の入り口で配っていたワッペンの番号などを案内所のスタッフが記録。しばらく保護者が姿を見せないと「迷い子センター」へ誘導した。一方、案内所に駆けつけた保護者からは事情を聞き、迷子の情報と照会。最後にテレビ電話で子どもと保護者が顔を確認してから引き合わせた。

テレビ電話は日本電信電話公社(現・NTT)が国内で初めて本格的なシステムとして導入した。迷子対策と組み合わせる取り組みは画期的なものだった。

特に幼児に気を配った。不安を和らげようと、スタッフはテレビ電話を指さし「お母さんの顔が見えるよ」と語りかけた。同センターで働いていた飼原和子さんによると、夜遅くまで保護者が現れないと自宅まで連れて行ったという。夏休みに入った7月下旬以降は平均して午前1時半ごろまで業務が続いた。

ワッペンを渡し、その番号を照会する仕組みはその後の大型イベントでも続いた。ただ確認方法は徐々に変わっている。2005年の愛知万博では、保護する前にワッペンのシールに書かれた携帯電話番号から保護者と連絡できた。同万博は約2204万人が入場したが、保護数は約580人にとどまる。万博の歴史に詳しい万博ミュージアム(大阪府池田市)の白井達郎館長は「2025年大阪万博では顔認証で確認するようになるかもしれない」と話す。

(皆上晃一)

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